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時事

学校健康診断の見直しへ

府医ニュース

2026年8月26日 第3154号

文部科学省検討会が中間まとめ(案)示す

 文部科学省は8月3日、「第8回学校における持続可能な保健管理の在り方に関する調査検討会」を開催し、学校健康診断の見直しに向けた中間まとめ(案)を示した。近年、肥満・痩身、生活習慣、メンタルヘルス、いじめ、不登校等児童生徒の健康課題が多様化し、学校医の確保難や養護教諭の負担増が顕在化する中、健診の質を維持しつつ持続可能な体制の構築が協議されてきた。
 今回の案では学校健診の基本的役割が改めて整理された。健診の意義は学校生活で支障がある疾病をスクリーニングし健康状態を把握することと健康課題を明らかにして健康教育に役立てることであり、健診結果を保健相談や保健指導につなげる早期介入の必要性が指摘された。実施項目の見直しでは、学校医確保困難への対応として対象学年の重点化が示された。視力検査は高校段階まで毎年実施を維持する一方、眼科医による眼の疾病および異常の有無については第4学年までは毎年行い、以降隔年や必要時に限定する運用が示された。耳鼻咽喉科疾患の検査も小学校1・3・5学年、中1、高1の実施が提案された。いずれも地域実情で可能であれば全学年実施が望ましい。脊柱側弯症については早期発見が重要であり、高校段階まで毎年の実施を維持する。プライバシーへの配慮の面からも薬機法に基づく届出・認証を受けた検査機器の活用も推進されるが、実施事業者や読影体制の構築、整形外科医の参画などが課題となる。結核について、小中学校の健康診断で発見された結核患者数は過去15年で23人、87%が外国出生者であり平成26年以降集団感染発生がないことから小1、中1での問診、必要な児童に胸部X線検査実施が提案された。昨年改正された自殺対策基本法で追記された心の健康への対応は、児童生徒の自殺者数が増加傾向にあることを踏まえ、保健調査票への心の健康項目の追加や、1人1台端末などを活用した心の健康観察の導入が推進される。健診時期については、学校医不足で6月末までの診察が困難な地域があることから、身体計測や視力・聴力など予診的検査は従来どおり6月末までとしつつ、学校医による診察は夏季休業開始までの実施を目安とする提案がされた。プライバシーや心情への配慮も重要であるが、正確な検査診察のため必要時には視触聴診する場合があることを生徒保護者へ説明し、理解が得られない場合は文書などで疾病や異常が見逃される可能性を説明し、個別に医療機関受診するか意思確認などを行う。今後は不登校児への健診機会確保、地域医療機関との連携強化、健診情報のIT活用など、学校保健の持続可能性を高める議論が続くが予算の確保、現場負担など課題は多い。児童生徒の健康課題が複雑化する中で医療関係者と教育現場の連携はこれまで以上に重要性を増す。(昌)