
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
府医ニュース
2026年8月26日 第3154号
◆宇治田原町の丘陵地を歩く。その起伏に少し息が弾むが、視界が開けると緑鮮やかな茶畑が広がり癒しの情景がある。鷲峰山(じゅうぶざん)の登山口まで辿り着くと、永谷宗円生家が佇む。
◆江戸時代中期、永谷宗円は「青製煎茶製法」を生み出し、現在の緑茶製法の基礎を築いた。江戸へ売り込みに行き、茶商の山本嘉兵衛(かへえ)がその販売を請け負い、忽ち評判となり普及した。それぞれに現在のお茶に関わる会社「永谷園」と「山本山」のルーツである。
◆いま日本茶業界が危機にある。世界的な抹茶ブームで昨年、農林水産省は抹茶の原料である碾茶(てんちゃ)への生産転換の方針を打ち出した。日本の緑茶輸出額が過去最高を更新したが、煎茶が不足し価格が高騰している。一方、国内需要を補うため安価な緑茶原料の輸入が増加し不均衡の需要構造になっている。
◆茶農家や栽培面積が減少する中での農水省の方針は見通しを誤ったのか日本のお茶文化のバランスが崩れている。コメ対策の右往左往が重なる。新たな地域医療構想に向けての将来の見通しは誤らないように。(誠)