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超少子高齢・人口減少社会

府医ニュース

2026年8月19日 第3153号

厚労省が「攻めの予防医療」を公表

 7月24日、厚生労働省から「令和7年簡易生命表」が公表された。平均寿命(0歳の平均余命)は、男性は81.35年、女性は87.33年であり、前年より男性は0.25年、女性は0.20年上回ったが、COVID―19の影響が出る前、すなわち2年の男性81.56年、女性87.71年には及ばない(4年には男性81.05年、女性87.09年まで低下)。75歳まで生存する割合は、男性76.0%、女性88.1%、90歳まででは男性26.7%、女性50.8%と計算された。男性の4人に1人、女性の2人に1人が90年以上生きる見込みとなって、10年以上が経つ。
 特定死因を除去した場合の平均寿命の延びは、悪性新生物〈腫瘍〉が、男性3.07年、女性2.66年で最大、次いで、男性は、心疾患(高血圧を除く)の1.36年、脳血管疾患の0.64年と続き、女性では、2番目が老衰で1.25年、3番目は心疾患で1.08年となる。「悪性新生物〈腫瘍〉、心疾患および脳血管疾患」を除去した場合の延びは、男性5.84年、女性4.77年とされた。
 7月29日には、総務省が「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(8年1月1日現在)」を公表した。日本人住民の人口は1億1973万6483人と、前年より91万6744人(0.76%)減少し、17年連続で減少した。自然増減数(出生者数―死亡者数)の減少幅は、18年連続で拡大している。出生者数は67万467人で、調査開始(昭和54年度)以降最少を更新する一方、死亡者数は159万3475人と、最多となった昨年をわずかに下回った。令和4年以降は、死亡者数が出生者数の2倍を上回っており、7年では2.38倍と最大になった。
 このような中、7月23日に厚労省は「U.E.N.O.Plan~攻めの予防医療厚生労働省関係施策~:Understand, Exercise, Nourish and Optimize for Better Health」を公表している。国民が主体的に健康づくりに取り組めるよう、健康リテラシーの向上を図るとともに、それだけでは不十分な領域について、行政や保険者などによる能動的な介入を強化し、行動変容を促進することを〝攻め〟の取り組みと表現している。
 重点領域として、①栄養・食生活(生活習慣病リスク低減のための「食事ガイド」作成)②がん・循環器病等(未受診者の原因究明と個人の就業状況に応じた受診勧奨)③歯科保健(国民皆歯科健診の具体化)④認知症(新たな検査技術を活用し、早期診断・早期対応等を推進)⑤リハビリテーション(科学的分析を活用し主体的参加への支援)⑥性差に由来するヘルスケア(更年期世代の女性を診療する一般診療医向けガイダンス作成)――の6領域を掲げ、共通した基盤となる取り組みとして、データヘルスを基盤とした「AI予防医療モデル」の構築を位置付けている。なお、財源や予算規模は、これからの議論となる。
 地域での肌感覚においても、かつての80歳と現代の80歳では、状態像が全く異なる。ますます進む超少子高齢・人口減少社会の新しいありようの模索が、求められている。(学)