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時事
府医ニュース
2026年8月5日 第3152号
社会保険診療報酬支払基金(支払基金)は、診療報酬改定DXの取り組みとして、クラウド型レセプトコンピューター(クラウド型レセコン)向けの共通算定モジュールの本格運用を6月1日に開始した。政府の「医療DXの推進に関する工程表」では、診療報酬改定時にレセコンのシステム改修やマスターメンテナンスなどの作業に大きなコストが生じていることから、デジタル技術を最大限に活用して、医療機関などにおける間接コストの極小化を実現するため、診療報酬改定DXの具体的なツールとして共通算定モジュールの開発と運用を支払基金が担うこととされた。共通算定モジュールの設計開発事業者はフューチャーアーキテクト株式会社、日本医師会ORCA管理機構株式会社である。
共通算定モジュールは、診療報酬の算定と窓口負担の計算についてレセコンの各製品が共通で利用できるプログラムで、支払基金の各種マスターと整合性を確保して計算内容などのチェックの上、計算結果の回答を行う。なお、医療機関が地方厚生局に施設基準を届け出た上で算定可能となる診療行為については、地方厚生局から支払基金に通知され、支払基金のマスターに登録された施設基準情報に基づき共通算定モジュールで診療報酬点数の計算を行う。医療機関から要求された計算内容が支払基金のマスターに登録されている施設基準情報と異なる場合は、クラウド型レセコンに対してその旨の注意メッセージが返される。
医療機関での会計処理の実情に対応した安全で高い性能を確保するため、共通算定モジュールはクラウド型レセコンと連携する仕組みを採用し、1秒間に3500件の計算要求を処理して即座に計算結果の回答ができる高い性能を確保している。なお、利用を希望するレセコンベンダーにはオンプレミス型レセコン向けのモジュールの提供に対応しており、ベンダーでレセコンにモジュールを組み込む方法になる。
共通算定モジュールは、日本医師会ORCA管理機構株式会社、富士通Japan株式会社、日本電気株式会社、ウィーメックス株式会社、株式会社ソフトウェア・サービスの協力を得て計算機能の品質確認を行った上で、これらのレセコンを利用する医療機関の協力を得て運用確認を行っている。
共通算定モジュールはレセコンの部品で、レセコンベンダーがレセコンの計算機能として利用する仕組みであり、医療機関が直接に利用する仕組みではないので、医療機関での導入は義務ではない。また、共通算定モジュールでは、医療機関ごとに患者単位で診療報酬の算定と窓口負担金の計算結果の履歴を管理し、診療月をまたいで算定回数をチェックする機能も提供するが、審査支払機関における審査業務に利用されることはないとされている。
共通算定モジュールはレセコンベンダーが利用する仕組みで、利用にかかる費用負担は令和8年度はないことに留意すべきである。(中)