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医師・医療関係者のみなさまへ

令和7年度在宅医療におけるACP研修会

府医ニュース

2026年7月29日 第3151号

ACPの進め方――「自分らしく生きる」ために

 大阪府医師会は「大阪府在宅医療総合支援事業」の一環として、「在宅医療におけるACP研修会」を2月23日午後、府医会館とウェブとのハイブリッド形式で開催。当日はオンライン受講とあわせて約200人が参加した。
 前川たかし理事があいさつで、急速な高齢化に伴い急務となる、個人の意思を尊重した医療・ケアの提供体制の構築に言及。本研修会が、その実現に向けた各地域のACPの推進において、さらなる普及・啓発につながるよう期待を寄せた。
 続いて、奥知久氏(旭区医師会理事/地域包括ケア研究所長/おく内科・在宅クリニック院長)が、「ACPの推進と多職種連携――ACPはみんなで進める時代」と題して登壇した。まず、世界保健機関(WHO)による健康の定義を概説。病気とともに自分らしく生きる2人の患者の事例を通じ、現代では環境に適応・順応し、自身の変化に対応できる能力が発揮されていれば健康な状態と言えるのではないかと見解を示した。病気があっても適応して生きる姿そのものが健康だと説いた。
 また、ACPの本質は、人生の全うを支えるための「繰り返しの対話プロセス」と強調。▽出身地▽職歴▽生活習慣▽個人の志向性――といった患者の「ライフヒストリー」を聞くことで、その人が生きてきた価値観を丸ごと受け取ることができると述べ、今後の医療従事者に求められる重要な技術だとした。
 次いで、渡邉順貴氏(りんくる訪問看護ステーション管理者)が、実際の在宅ケア事例を提示。複数の疾患を有する患者の希望に寄り添うため、訪問診療医や訪問看護師、ケアマネジャーなどによる多職種チームの結成に至ったと振り返り、多職種間の適切な連携と、病状に応じた丁寧なACPの実践こそが、患者と家族の価値観を大切にした「最期の時間」を作るために不可欠だと語った。
 講演後の意見交換で、奥氏は、ACPの実施には患者との信頼関係が非常に大切と語り、その上で看護師をはじめとする各専門職による主体的なACPへの関与が、患者の人生をより豊かにするための支援を可能にすると締めくくった。