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府医ニュース
2026年7月29日 第3151号
平成20年4月1日、医療制度改革により成立した「75歳以上の高齢者を対象とする独立した医療制度(後期高齢者医療制度)」が施行された。各都道府県の後期高齢者医療広域連合が保険者となり、公費(約5割〈国4:県1:市町1〉)、現役世代からの支援金(約4割)、後期高齢者保険料(約1割)の財源構成である。
後期高齢者医療制度の保険料は、各都道府県で異なる。最も高い東京都(1万352円)と最も低い青森県(4990円)では、2倍以上開くが、令和8・9年度の全国平均は月額7989円である。個人の保険料は、均等割額(被保険者が一律で負担する金額)と所得割額(被保険者の前年の所得に応じて算出される金額10.17%)の合計額である。
後期高齢者の窓口での自己負担割合は、所得により1~3割となる。課税所得145万円以上(単身:年収約383万円以上、複数:約520万円以上)は3割。課税所得28万円以上(年金収入とその他合計所得が単身:200万円以上、複数:320万円以上)は2割。前述以外の一般・低所得者は1割。しかし、年収だけで高齢者の負担能力を正確に測るのは困難で、預貯金や金融資産等も考慮すべきと財務省は考えている。
後期高齢者医療制度の財源として現役世代からの支援金が約4割ある。現役世代からすれば、自分達の保険料がほかの団体の被保険者(後期高齢者)に使われるのは、不公平感や過大な負担感がある。社会全体として見れば、世代間の所得格差や健康リスクの是正になるかもしれないが、保険を使わない元気な現役世代が高額の保険料を支払い、病気がちで高額の医療費の給付を受ける高齢者の保険料は少ない、という不条理。ある野党議員は、現役世代からの支援金を少なくしていき、いずれは公費に置き換えていくべきと提案している。その財源として、高齢者が負担する相続税を提案。死去した被相続人が、「社会から受けた給付を清算する考え方」としている。財務省の「相続税の税収、課税件数割合及び負担割合の推移」を見ると、平成25年改正で相続時精算課税の贈与者の対象拡大(65歳から60歳に緩和)と同受贈者(20歳以上の孫)の追加により右肩上がりに課税件数の増加(令和5年:全件数の9.9%)および相続収入の増加(5年:約3兆5千億円)が見られる。
4年度の生涯医療費(その年に生まれた0歳の人が、平均で生涯に必要と推定される医療費)は約2800万円で、医療保険給付が賄う部分は約2300万円となり、医療費の約85%は医療保険から賄われる。その生涯医療費の半分以上(約1590万円)が退職後の65歳以降にかかる。医療費に関して負担と給付は難しい問題である。