
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

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勤務医の窓
府医ニュース
2026年7月1日 第3149号
令和8年度診療報酬改定が6月1日に実施された。物価高騰や賃上げへの対応として、本体部分は約30年ぶりとなる高水準のプラス3.09%改定となった。さらに今回の改定は、単なる財源配分の見直しにとどまらず、停滞していた地域医療構想や医療DXを本格的に前進させ、医療提供体制そのものの再構築を促そうとする、国の強い意思を感じさせる内容であった。
公立病院の院長として、私が特に注目した点は二つある。第一は、従来の人員配置を中心とした評価から、診療実績や治療成果をより重視する評価へと、大きく舵が切られたことである。その代表例の一つが「急性期病院一般入院基本料」の新設である。これからの急性期病院には、単に体制を整えているだけではなく、実際にどれだけ地域に必要とされる医療を提供し、患者に良好な結果をもたらしているかが問われる。医療安全、治療成績、救急医療への対応力など、病院の実力そのものが診療報酬上もより明確に評価される時代に入ったと感じている。
第二は、働き方改革や処遇改善を見据えた報酬体系への転換である。医療従事者の賃上げにつながる評価に加え、チーム医療の推進による業務負担の分散化が明確に打ち出された。なかでも「地域医療確保体制加算2」および「外科医療確保特別加算」は、消化器外科医でもある私にとって極めて関心の高い加算である。外科医不足が深刻化する中、地域で外科医療を守り続けるための一つの支えとなることを期待している。
今回の改定は、当院にとっても大きな転換点となった。答申発表後、事業管理者、副院長、看護局長、事務局長らと何度も議論を重ねた。その中でたどり着いた結論は、「これまでのやり方の延長線上に病院の未来はない」ということであった。そこで直ちに、若手を含めた全医師を対象にドクターミーティングを開催した。今回の診療報酬改定が何を求めているのか、そして地域医療を将来にわたって守るために、当院はどのように変わらなければならないのかについて率直に意見を交わし、病院として進むべき方向性を共有した。
今回の診療報酬改定は、まさに〝生き残りをかけた改革〟を迫るものである。しかし私は、この変化を危機であると同時に、病院をより強く、より信頼される存在へと変える好機でもあると受け止めている。地域の先生方と住民の皆様から、「市立貝塚病院に相談すれば何とかしてくれる」と思っていただける病院を目指し、職員一丸となって改革に取り組んでいきたい。
市立貝塚病院長
長谷川 順一
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