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医師・医療関係者のみなさまへ

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府医ニュース
2026年7月1日 第3149号
第334回大阪府医師会定例代議員会(上野豊議長/定数270人)が6月18日午後、府医会館で開催。府医代議員195人の出席の下、令和7年度事業などの報告のほか、同決算など3題の議案が審議された。また、当面の医療問題が協議され、決議を採択した。
上野議長の進行で始まり、開会に先立ち、加納康至会長から、澤芳樹副会長が会頭を務め、9年4月に大阪で開催される第32回日本医学会総会について案内。日本医師会と日本医学会が連携して「医学のレジリエンス力」が高まる会となるよう祈念し、積極的な参加を促した。
引き続き、あいさつで加納会長は、日頃の協力に謝意を表明した。医療情勢を巡っては、7年12月の医療法改正で新設された「外来医師過多区域」の候補区域として、大阪市が該当することに言及。各地域の協議の場における議論に深く関与し、地域の実情を正確に行政に伝えるのが府医の重要な役割だとした。
さらに、次期執行部の取り組みとして、医師会・病院団体・行政との連携強化や、医療系職業求人サイト事業などを概説。「会員を取り巻く厳しい状況を真摯に受け止め、改善に全力を尽くすことが私の使命」と語り、一層の支援を求めた。
次いで、栗山隆信理事(当時)が代議員の異動を、阪本栄副会長が7年度に取り組んだ事業の概要を報告した。
議事では、①7年度府医決算②9年度府医会費賦課徴収③9年度府医新入会員に対する会館設備資金応益負担金の賦課徴収――の件が上程され、北村良夫副会長が骨子を説明。いずれも可決、承認された。なお、正味財産合計は約120億6300万円。当期経常収益計の約30億600万円に対し、同費用計は約28億600万円で、正味財産は約2億円の増加となった。説明の後、北村俊雄監事(当時)が、適正だったと監査報告を述べた。
協議では、当面の医療問題について、宮川松剛副会長が決議文を読み上げた。高橋徳代議員(高槻市)が、医療機関に係る消費税問題について発言。宮川副会長は、結論がなかなか出しづらいとしつつ、府医として大きな問題と認識し、対応していると言明した。
また、松原謙二代議員(池田市)は、8年度改定で診療報酬がとりわけ小規模診療所にとって厳しく不十分な評価となった現状や、病院が導入した包括支払い制度(DPC)の問題点などを指摘。地域医療を守るためには、医師会による的確な対応が不可欠だとし、大阪から強く問題提起するよう求めた。
加納会長は閉会に当たり、代議員の意見を日本医師会に届けるよう努力すると述べ締めくくった。
2040年を見据える新たな地域医療構想は、医療計画の上位概念として位置づけられ、外来医療、在宅医療、介護との連携、人材確保等を含めた地域の医療提供体制全体の課題解決を図る枠組みへと転換される。課題解決のためには、国が示す大枠を画一的に当てはめるのではなく、大阪において既に築かれてきた医療提供体制と連携した基盤を発展させる視点が不可欠である。持続可能な医療提供体制の構築は、現場の努力だけでは成し得ない。病診連携を実効ある体制として構築し、平時から地域医療を維持する重要性について府民の理解を深めるとともに、こうした体制構築を支える財政的裏付け、とりわけ診療報酬や補助金による適切な支えが不可欠である。このような状況の中、令和8年度診療報酬改定は+3.09%の改定率となり、近年まれにみる大幅な引き上げがなされた。しかしながら、急性期病院を中心として改定財源を重点的に配分するため、多くの財源が病院に投入される一方、診療所は、物価や賃金の上昇に対する財源は一部手当てされたものの、医療DX等の施設基準の要件が厳格に設定され、実質的に算定できない項目に財源が配分されるなど、厳しい改定となった。
地域医療を守るためには病院と診療所が一体となって医療体制を確保すべきであり、今回の改定のみでは、医療機関の経営を維持することは困難である。加えて、更なる物価上昇も懸念されることから、実体経済や物価動向を踏まえた対応を早急に行わなければならない。
さらに医療関係法等においても多くの懸念が存在する。健康保険法等の改正により、OTC類似薬の一部を自己負担する一部保険外療養を創設するとしているが、本来、必要な医療は保険診療で行うべきであり、安易に保険外併用療養費制度を拡大すべきではない。高額療養費の見直しについては、患者の実態に配慮し、特に長期療養者が受診抑制することのないよう配慮すべきである。
新たな地域医療構想では、医療機関機能の協議を通じた連携、再編、集約化を進めるとしているが、医療の質を確保し、高齢者救急にも対応できるよう、地域の実情に応じて策定する必要がある。
医療法の改正により、オンライン診療受診施設の開設が可能となったが、これまでもオンライン診療そのものに対して、不適切な運営が指摘されており、初診からのオンライン診療の是非を含めて再検討が必要であり、医療の質と安全性の確保が大原則である。あわせて、訪問看護に対しては地域が求める適正な状況にあるかの十分な監視が必要である。また、外来医師過多区域における診療所の開設については、行政として丁寧な説明を尽くすべきであり、保険医療機関の指定や保険診療上で制限を課すべきではない。
かかりつけ医機能報告制度は、かかりつけ医の登録制や外来機能の集約化、診療報酬による評価につながらないようにするとともに、令和8年度診療報酬改定において訪問看護で導入された包括点数が外来の診療報酬の包括化の布石とならないよう注視しなければならない。
今後も社会保障を充実させるため、政府は社会的共通資本である医療の重要性を真摯に受け止め、必要な財源を確保し、全ての国民が安心して安全かつ質の高い医療を受けられるよう下記事項を要望する。
記
一、実体経済や物価動向を踏まえた診療報酬の改定および補助金交付の早期実施
一、医療DX推進にかかる医療機関への十分な支援の実施および拙速な医療DX推進による高齢医師の廃業と医師不足に伴う地域医療崩壊の阻止
一、医療の質の確保と高齢者救急にも対応可能な地域の実情に応じた地域医療構想の策定
一、外来医師過多区域における過度な開業規制や保険診療上の制限の撤廃
一、受診抑制につながる拙速な高額療養費制度の改正および保険給付範囲の縮小に反対
一、一部保険外療養の導入等、選定療養化の拡大阻止
一、外来診療の包括化やかかりつけ医の登録制および集約化に反対
一、医療の質と安全性確保の観点からオンライン診療の初診対応を含めての再検討
一、適正な訪問看護への監視体制の確立
一、国民皆保険制度を守るための国民の声を反映した社会保障費の財源の確保
令和8年6月18日
一般社団法人大阪府医師会
第334回(定例)代議員会