
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

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府医ニュース
2026年6月24日 第3148号
此花区医師会(板東博志会長〈当時〉)は1月15日午後、同区内で、「第5回ACP研修会(多職種連携研修会)」を開催。当日はウェブとの併用で会員や医療・介護職など約50人が聴講した。
開会に先立ち、板東・同医師会長があいさつ。患者が最期まで自分らしく生き切るためのプロセスとしてACPがあると語り、本研修会を通じて、多職種連携による意思決定支援の質が一層高まることに期待を寄せた。
続いて、田中忠德氏(行政書士/社会福祉士)が講演を行った。冒頭、大阪市の独居高齢者が45%に達し、政令指定都市で最も高いという深刻な状況を憂慮。地域ケア会議においても、独居や身寄りのない高齢者に関する問題が増加傾向にあると指摘した。
田中氏は、高齢や病気で本人による意思決定が困難になった場合、専門職からの支援が不可欠だと強調。支援を受ける側の本人を「受援者」と位置付け、本人の状態や場面に応じて支援者が柔軟に支えていく体制が必要だとした。また、ACPだけでなく、日常の人生観・価値観を主軸とするALP(アドバンス・ライフ・プランニング)も取り入れることで、より効果的な意思決定支援につながると加えた。その上で、具体的な実践の入り口として「もしバナゲーム」を紹介した。
さらに、災害支援をきっかけに生まれた「受援力」という考え方を引き合いに、困った時に自ら支援を求め、その支援を受け入れる力の重要性を力説。この力が備わることで、支援する側も手を差し伸べやすくなり、より適切な支援が成り立つとした。あわせて、支援する専門職の精神面・技術・健康のバランスを保つためには、従来の「心技体」に4つ目の要素としてこの力を加えた「心技体・受援力」という意識が大切だと説いた。そのほか、エンディングノートの活用や遺言書、任意後見制度の検討を推奨した。
最後に、ACPの本質は、結論を出すことではなく、日常的な話し合いの過程そのものにあることを忘れないでほしいとアドバイス。日々の支援の場面では、現場の「些細な違和感」を見逃さないという感覚も大切にしてほしいと締めくくった。