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時事

看多機の現状と課題

府医ニュース

2026年6月24日 第3148号

介護給付費分科会で議論

 5月25日、厚生労働省「社会保障審議会・介護給付費分科会」が開催され、令和9年度介護報酬改定に向けた議論の一環として、「小規模多機能型居宅介護(小多機)」「看護小規模多機能型居宅介護(看多機)」などが議題となった。
 小多機は、利用者の様態や希望に応じて、〝通い〟を中心に〝訪問〟や〝泊まり〟を柔軟に組み合わせられるサービスで、平成18年に創設された。言い換えれば、デイサービス・ショートステイ・訪問介護・ケアマネジメントを1つの事業所が提供する仕組みである。
 看多機は、小多機に訪問介護を加えて一体化したもので、24年に創設された。当初の名称は「複合型サービス」であったが、内容をイメージしにくいことから、27年に現在のものに変更されている。小多機は要支援者でも利用できるのに対し、看多機の利用は要介護者に限られる。
 共通して、1事業所当たりの登録定員は29人以内(泊まりは9人以内)、サービス利用回数や時間、日数に制限はなく、要介護度別の月単位定額報酬である(食費・宿泊費等は別)。また、地域密着型サービスに位置付けられるため、原則として住民票のある市町村の事業所しか利用できない。
 今回の会合では、小多機に関し、▽請求事業所数は、直近では3年連続減少。受給者数は、令和3年をピークに減少▽利用者1人当たりのサービス利用回数は、通い:14.8回、訪問:17.42回、宿泊:6.0回──などと報告された。
 さらに、看多機については、▼要介護3以上の利用者は約64%、平均要介護度は3.2であり、小多機の約43%、2.4、特定施設の約52%、2.7と比較して高く、中重度要介護者の在宅療養継続を支える拠点としての役割を果たしている▼利用終了者の転帰では、医療施設への入院および死亡(看取り)が増加している──などとされた。
 看多機には、①喀痰吸引や経管栄養などの医療的ケアを要する人の在宅療養、②退院直後の在宅生活へのスムーズな移行支援、③がん末期などの看取り期や病状不安定期における在宅継続支援、④家族に対するレスパイトケア、相談対応による不安の軽減――などの機能が期待されている。しかし、事業所数は年々増加してはいるものの、7年4月現在で全国1108カ所であり、全国1741市町村中、管内に事業所を有するのはわずか27.1%にとどまる。大阪府内の市区町村では5割程度である。厚労省が手引きを作成し、広域利用の拡充を図っているが、手続きが煩雑なこともあり、実施市町村は14.7%と低調である。
 会議では、人材や利用者の確保、報酬体系(加算)の簡素化などが課題に挙げられた。
 小多機、看多機は、一体型サービスゆえ、ほかの事業者による訪問介護、訪問入浴介護、デイサービス、デイケア、ショートステイは利用できず、ケアマネジャーも交代となる。それまでの馴染みのスタッフと離れることとなり、利用開始の障害と問題視されてきた経緯がある。
 高いポテンシャルが十分に生かされる、全国に浸透する制度設計は可能だろうか。(学)