
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

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将棋部だより
府医ニュース
2026年6月17日 第3147号
5月17日に今年3回目の例会を、大阪市中央区谷町の大阪府社会福祉会館で開催した。季節はずれの暑い日だった。
明治36年5月22日、16歳の高校生だった藤村操(みさお)君が日光華厳の滝に身を投げた。「悠々たる哉天壌 遼々たる哉古今」で始まり「始めて知る 大(おほい)なる悲観は大なる楽観に一致するを」で終わる遺書は、名文と持て囃(はや)された。颯爽と、しかし惜しまれる死だった。
藤村君のクラスで英語を教えていたのが夏目漱石だった。彼は教え子の死に衝撃を受けた。数日前に藤村君と英文学上の問題について議論し、藤村君の意見を完全に否定したばかりだったからである。彼はそれを長い間悔やんだ。そして「自由と独立と己(おの)れとに充(み)ちた現代に生れた我々は、その犠牲としてこの淋しみを味ははなくてはならない」と反省した。我々も漱石のように孤独に苦しむ時がある。しかし将棋に救われるのである。
参加者は13人だった。そして8歳の石見優衣(まい)さんが今回も来て医師会員と対局した。
今回は準会員二段の出来が素晴らしく、強手を炸裂(さくれつ)させては粘る相手を次々に倒し、見事全勝優勝した。3勝1敗者は3人いたが、規定により岩崎三段(小松病院/寝屋川市)が2位、伊藤五段(野崎徳洲会病院/大東市)が3位になった。ほかの参加者は手島七段(和泉市)、松村六段(池田病院/東大阪市)、東森五段(平野区)、濱田五段(東住吉区)、山中五段(福島区)、佐野五段(豊中市)、青谷三段(高槻市)、柿原三段(堺市)、準会員五段、準会員四段だった。
「俳句は宇宙に己れを投げ込んで無にする遊びだ」と森澄雄氏は言った。将棋もそうだ。我々は盤上の宇宙に己れを投げ込んで無になり、逆説的に喜びを味わうのである。
入部をお望みの方は、いずみがおかメンタルクリニックの手島(0725―56―2727)までご連絡ください。
報告 手島 愛雄(和泉市)