TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

第30回 耳の日セミナー

府医ニュース

2026年6月3日 第3146号

耳の健康をテーマに3題の講演

 「第30回耳の日セミナー」が3月1日午後、大阪市内で開催された。当セミナーは、大阪府耳鼻咽喉科医会(有賀秀治会長)と日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会大阪府地方部会、毎日新聞社の共催で行われ、府民ら約330人が参加した。

〝聞こえにくさ〟などへの対応を解説

 有賀・同医会長は開会のあいさつで、聴力の低下が日常生活に及ぼす影響は大きいと指摘。本セミナーが参加者の生活に役立つことに期待を寄せた。
 まず、長谷川太郎氏(同医会理事)が、「耳の仕組みと難聴について」と題して登壇。音が伝わる仕組みや、その過程に障害が起きた際に行う聴力検査を解説した。「伝音難聴」と「感音難聴」の特徴を説明し、加齢による難聴を含む感音難聴は、発症から時間の経過したものは治療が困難な場合が多いとした。また、同医会が全面的に協力している中央急病診療所の運営体制を紹介。休日などに鼻血や耳の痛みなどで困った時に利用するよう呼びかけた。
 次いで、綾仁悠介氏(大阪医科薬科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講師)が、「気づかないうちに困る耳の症状」について講演した。「耳かきが、多くの耳のトラブルの原因」と述べ、耳垢は自然に外に出されるため、入り口だけ軽く行うようアドバイス。耳かきのし過ぎなどが原因となる外耳道炎や外耳道真菌症などの特徴や治療法を解説した。▽耳だれが続く▽耳の痛みが強い▽顔が動かしづらい▽滲出性中耳炎が片側に発症している――場合の早期受診を促した。
 角南貴司子氏(大阪公立大学大学院医学研究科耳鼻咽喉病態学・頭頸部外科学教授)は、「聞こえのお話」をテーマに、聞こえにくさへの対応のポイントを伝えた。角南氏は、「危険察知能力の低下」「コミュニケーションがうまくいかない」「社会的孤立」「認知症リスクの上昇」といった難聴が及ぼす影響を挙げ、補聴器によって聴力を補うことの重要性を強調。「目が悪ければ眼鏡をかける」感覚で使用してほしいと述べ、補聴器に関する制度や購入先などの注意点を説示した。