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医師・医療関係者のみなさまへ

調査委員会だより No.136

かかりつけ医とかかりつけ医機能について考える

府医ニュース

2026年5月27日 第3145号

 令和7年度より開始されている「かかりつけ医機能報告制度」は、「骨太の方針2022」に「かかりつけ医機能が発揮される制度整備を行う」と明記され、その後医療法に「かかりつけ医機能」が定義付けられたことにより施行された制度である。
 「かかりつけ医」の文言は歴史的には村瀬敏郎・元日本医師会長が、厚生省(当時)の企図する「家庭医制度」に対抗して使用したとされているが、実はそれ以前の昭和58年に、医療費亡国論で有名な吉村仁・厚生省保険局長(当時)が「社会保険旬報」に投稿した論文の中で、「かかりつけの医師を持つことが適正受診につながる」と言及されている。
 これまで医師会が主張してきた「かかりつけ医」と国が制度化しようとしてきた「家庭医制度」や専門医制度としての「総合診療医」の論争が形を変えて出てきたようにもとれる。日医は「かかりつけ医」と「かかりつけ医機能」は似て非なるものとしているが、医療提供者側の論理であるという印象は拭えない。では、「かかりつけ医」は今後府民に浸透していくのだろうか。
 国の定める「かかりつけ医機能」には、1号機能として日常的な診療を総合的かつ継続的に行う機能、2号機能として(イ)時間外診療(ロ)入退院時の支援(ハ)在宅医療の提供(ニ)介護サービスと連携した医療提供――とされているが、本会が令和8年2月に行った府民調査では、「かかりつけ医を決める重要な要因」は「自宅や職場から近い」「人間性が信頼できる」「説明が丁寧」などが上位に挙がった。一方で、「専門性や外来内容の情報が入手でき、目的に合致する」「往診してくれる」「夜間対応してくれる」などのかかりつけ医機能に求められる内容はさほど重要とはされていない。過去の調査においても同様の結果であり、イメージは乖離している。
 今後「かかりつけ医」を浸透させていくには医療受給者側の視点も考慮する必要があるのではないだろうか。

文 岩本 伸一(東成区)