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府医ニュース
2026年5月27日 第3145号
高次脳機能障害者支援法が、令和7年12月16日の第219回国会において成立し、12月24日に公布、8年4月1日より施行された。高次脳機能障害は外見から判断するのは困難で「見えない障害」と言われ、本人も症状に気付かないこともある。脳血管障害などの疾病の発症、事故による受傷で、脳の器質的障害が起こり、そのために様々な認知機能障害の症状を呈する。全国に約23万人いると言われている。症状は、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害、失語、失行、失認、そのほかの認知機能の障害があり、社会生活に障壁がある。疾病や受傷の医療の段階からサポートし、回復期、リハビリテーションを経て社会復帰するが、そのすべての段階で切れ目ないサポートが必要である。
従来は「障害者総合支援法」「精神保健福祉法」により、▽相談・情報提供の拠点▽医療・リハビリテーション▽就労支援プログラム▽地域生活・福祉的就労――などの分野で点で支援が行われてきたが、各都道府県の努力義務であったために、自治体間で格差があり、十分とは言えなかった。
主に3点の課題があった。▽支援の地域差▽支援連携の切れ目▽周囲の理解不足による人権侵害や社会的孤立――など。当事者が自立と社会参加を確保するようなシームレスな支援体制を構築するには、国の責務としての明確な法的根拠が必要不可欠であり、高次脳機能障害者支援法の成立となった。その成立には、「NPO法人日本高次脳機能障害友の会」「高次脳機能障害者と家族の会」などの当事者団体やその家族、専門家などの地道な努力により、超党派の議員が参加する「高次脳機能障害者の支援に関する議員連盟」を動かし、成立した。
その基本理念遂行に向けた支援体制の3つの柱がある。①高次脳機能障害者支援センターの設置(知事が指定し支援の中核を担う)②専門的な医療機関の確保③高次脳機能障害者地域支援協議会の設置(当事者や家族、医療・福祉関係者で構成される)。各関係機関が地域の情報や課題を共有し、相互にスムーズな連携を図り、地域に応じた体制構築が求められる。