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時の話題

「社会保障国民会議」での議論開始

府医ニュース

2026年4月15日 第3141号

給付付き税額控除制度導入に向けて

 高市早苗首相は、昨年10月の所信表明演説で触れていた超党派の議員や有識者で構成する国民会議を新設し、令和8年2月26日、社会保障と税の一体改革を議論する「社会保障国民会議」の初会合を首相官邸で開いた。同会議の下に「給付付き税額控除等に関する実務者会議」を設置し、第1回の会合が3月12日に開かれ、今後の進め方が了承された。
 この制度は、納税額から一定額を差し引き、控除しきれない分を現金で給付する仕組みで、物価高や高い社会保険料負担で苦しむ中・低所得者層の負担軽減が目的。所得格差の是正(再配分)を促すセーフティーネットである。この制度は海外ではすでに導入されており、その目的から、①就労促進型(米国)②子育て支援型(米国、カナダ、フランス)③消費税逆進性対策型(カナダ)④社会保険料負担軽減型(オランダ)――の4つに分類される。①は勤労意欲を動機付けるため一定所得までは個人の受益が増える。②は少子化対策にもなり多子世帯の貧困対策である。③は低所得者ほど負担感が大きい消費税の逆進性を補正する。④は税額控除しきれない分を社会保険料の減額で相殺する。複合的な英国のユニバーサルクレジット(UC)は低所得世帯を対象とし、世帯の状況に応じて「基準手当」が決定され、子どもの数、年齢構成、障害、住居費用なども勘案して一定所得の世帯水準まで加算される。①の米国の勤労税額控除(EITC)は不正が多い。
 政府は一人4万円の税額控除を検討している。その根拠は「国民一人当たり」の「食料品等の年間消費税負担額」が約4万円と試算されているためである。同制度の導入までの2年間に限り食品の消費税ゼロという案もそれに符合する。「岸田減税」とも言われる4万円(所得税3万円、住民税1万円)の減税の実績もあったが、これは定額減税であった。これを継続的に行うことを目的に同制度の導入を考えている。
 この制度を導入するためには、▽マイナンバーカードの普及▽マイナンバーカードと銀行口座との紐付け▽正確な個人の資産、金融所得(株式配当・譲渡益)などの把握▽財源▽給付の事務の担い手(国、自治体、会社など)――といった課題がある。財源確保のため、高齢者の金融所得にも社会保険料の負担を求めること、また逆進性対策をしながら消費税のさらなる上昇も考えられる。行政からのスムーズな給付や所得の把握には、マイナンバーカードの普及と銀行の口座との紐付けが必要である。また給付の事務手続きは、会社員・公務員は年末調整、自営業・フリーターは確定申告、非課税世帯・年金受給者はプッシュ型給付(振り込み)と考えられる。給付事務のために過大な経費は掛からないようにするべきである。