
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

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府医ニュース
2026年4月1日 第3140号
大阪府医師会は令和7年12月10日午後、大阪府小児在宅医診療促進事業の一環として「小児在宅医療研修会」をオンラインで開催。「地域における〝医療的ケア児(者)まんなかチーム〟の一員になろう!」をテーマに実施し、医師・医療従事者ら約100人が受講した。
冒頭、前川たかし理事があいさつ。医療的ケア児は状態が多様で個別性が高く、医療的ケアを行うには専門的な知識が必要と述べた。また、社会資源・人的資源が不足しており、支援が十分でない現状を憂慮。多職種が連携を密にし、地域全体で取り組むことが求められると強調した。
まず、竹本潔氏(大阪発達総合療育センター副センター長/医療型障害児入所施設フェニックス園長)が「医療的ケア児(者)の呼吸障害とその対応」と題して講演。重症心身障害児(者)の死因調査では呼吸関連が大半を占め、原因と対策を把握することが重要と語った。主な慢性呼吸障害として、①気道の狭窄②気道クリアランス(排痰)の障害③胸郭可動域制限に伴う拘束性換気障害④中枢性の無呼吸・低呼吸――を挙げ、それぞれの特徴を解説。呼吸リハビリテーションでは姿勢管理が有用であるとし、症状に応じた対応を伝えた。さらに、気管切開や人工呼吸器の適応に触れ、呼吸状態悪化時の対応シミュレーションを説示した。
次に、重症心身障害児(者)の消化管に関して、塩川智司氏(四天王寺和らぎ苑施設長)が「病態の理解」、位田忍氏(大阪母子医療センター臨床検査科主任部長)が「栄養の観点から――胃瘻からのミキサー食の利点」をテーマに登壇した。塩川氏は、重症児は障害の相互作用や連鎖、経時的な変化で個別性の高い症状を呈すると説明。日常の支援では原因疾患よりも現在の状態、すなわち病態の理解が大切と呼びかけた。位田氏は、年齢(成長スパート)とともに進む栄養障害に言及。経腸栄養剤の長期使用による様々な問題を指摘し、改善策としてミキサー食の胃瘻への注入や嚥下調整食を提示したほか、自院で考案したミキサー食(ベースライス法)の効果を紹介した。
最後に、濱崎考史氏(大阪公立大学大学院医学研究科発達小児医学教授)が「自律的意思決定困難な患者の成人移行支援のあり方に関する提言」について詳説。本提言が患者の自律性を最大限に尊重し、多職種協働を通じて「患者の最大の利益」を追求する成人移行支援の一助となってほしいと結んだ。