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大阪狭山市医師会BCPブラッシュアップ研修会

府医ニュース

2026年4月1日 第3140号

BCP策定の必要性を周知

 大阪狭山市医師会(芝元啓治会長)が主催する在宅医療・介護連携推進事業の一環として、2月13日午後、大阪狭山市内で「BCPブラッシュアップ研修会――入門から応用まで」を開催し、岡本裕紀子氏(防災アドバイザー/防災士)が講演。病院や介護支援事業所に勤務する専門職など約40人が参加した。
 はじめに、松向寺孝臣・同医師会副会長が開会あいさつ。地域に即したBCPの必要性に触れ、BCPに馴染みの薄い人でも、いざという時に災害対応できることが重要だと述べた。
 岡本氏はまず、災害対策の出発点は個人の防災意識にあると指摘。その上で、防災対策は「自助(家庭・個人)」「共助(企業・地域)」「組織連携」の3層からなる〝防災ピラミッド〟で構成され、いずれの層が欠けても全体が機能不全に陥ると解説した。
 また、実効性のあるBCP構築には「困りごと」の想定と、現場の実情に即した備えが大切だとし、災害時のトイレ対策を例に説明。簡易トイレの使用は衛生面にとどまらず、水分摂取を控えることによる脱水やエコノミークラス症候群にも関わる重大な課題であり、有効活用のポイントとして、①備蓄量②性能重視③訓練④分散保管⑤一連の動作――を挙げた。さらに、日頃の意識を変えることの重要性を示す例として「0円防災」の概念を紹介。既存の物品や習慣を活用して防災力を高める手法であり、車の燃料は半分を下回らないようにする、牛乳パックを保管して簡易食器として活用するなど、身近な工夫を提案した。
 最後に、講演のまとめとして、「日常の意識を少し変え、既存資源を有効活用することで災害対応力は確実に高まる」とし、職場のBCPと家庭の防災対策を車の両輪として機能させることが、真に強い組織を作る鍵になると結論づけた。
 研修会後半はグループワークを実施し、被災時に必要な対応を多職種で討議。参加者は、災害対応には想像力、継続力、行動力が求められることを再確認する機会となった。

 報告 大阪狭山市医師会