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医師・医療関係者のみなさまへ

介護保険研修会・主治医意見書作成に関する説明会

府医ニュース

2026年4月1日 第3140号

今後の医療・介護連携
江澤日医常任理事が講演

 大阪府・大阪市・大阪府医師会主催による「介護保険研修会・主治医意見書作成に関する説明会(第2回)」が3月7日午後、大阪市内で開催された。医師をはじめ看護師やケアマネジャーなど、医療・介護・福祉従事者ら約150人が参加した。

 加納康至会長は開会あいさつで、高齢者やその家族が、適切に介護サービスを受けるには、円滑な要介護認定が不可欠だと説示。本研修会が、介護保険制度への理解促進と主治医意見書作成の技術の向上につながることに期待を寄せた。

主治医意見書は情報を共有するツール

 宮川松剛副会長が座長を務め、はじめに、川邉正和氏(府医介護・高齢者福祉委員会副委員長)が、「主治医意見書記入の留意点」について講演した。川邉氏は、意見書を「地域へ医療情報を共有するツール」と前置き。要介護認定は、「社会資源の配分を決める重要な過程」とし、認定のプロセスを詳述した。主治医意見書は、一次判定では、コンピューターで推計する各利用者の「介護にかかる時間」、介護認定審査会による二次判定では、▽第2号被保険者の特定疾病の該当性▽介護の手間▽状態の維持・改善の可能性▽調査結果の整合性――に係る根拠資料として、繰り返し活用されると解説。ケアプランの作成などにも利用されると加えた。また、申請の多くが認定までに30日を超過する実態に触れ、主因は意見書の作成遅延と不備だと指摘。府医が大阪府からの委託により作成した「主治医意見書問診票」を用い、申請者(患者)が生活情報をあらかじめ整理することで、認定の迅速化が図れるとした。
 さらに、意見書の記入方法を詳説。症状や頻度、介護上の困難さなど「介護の手間」に直結する内容を「特記すべき事項」に記すことがポイントであり、これが二次判定で一次判定を修正する際の裏付けになるため、適切な記入を呼びかけた。

顔の見える関係
地域で支える体制を

 江澤和彦・日本医師会常任理事は、「介護政策と医療・介護連携」と題し登壇。2040年を見据えた医療・介護提供体制は、地域の実情を踏まえて体系化する必要があると述べた。また近年、高齢者人口が増加しているにもかかわらず、入院患者数が減少しているのは、国民の選択が「治す医療」から「治し、支える医療」へと移行していることが理由の一つだと言及。一方で、一人の医師による24時間365日対応の難しさから、訪問診療を行う診療所が減少していることを憂慮し、「顔の見える関係」を作り、地域で支え合うことの大切さを訴えた。
 新たな地域医療構想では、入院医療だけでなく、外来・在宅医療、介護との連携を含む医療提供体制全体の課題解決を図ることを目的に、医療機関の役割分担を明確にし、連携・再編・集約化を推進していると説述。医療法の改正で、地域医療構想が医療計画の上位概念に位置付けられたことから、地域における協議が重要になると強調した。さらに、早期の在宅復帰に向けた包括期機能の考え方に論及。急性期と回復期の機能を持ち、リハビリテーションなどを提供することで、増加する高齢者救急の受け皿になるとした。
 令和8年度診療報酬改定からは、医療介護連携や在宅医療関連を説明した。改定に一定の評価をしつつも、十分ではなく、医師会として引き続き働きかけていきたいと言明。現場の意見を積極的に届けてほしいと結んだ。