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府医ニュース
2026年2月18日 第3135号
令和7年12月19日、自民党と日本維新の会は、市販薬と効能や成分が似ている「OTC類似薬」について、保険適用を維持したまま、一部の薬で患者が薬剤費の4分の1を支払う新たな仕組みを設けることで合意した。9年3月からこの新たな仕組みは始まる。これにより、政府は約900億円の医療費削減を見込んでいる。
77成分を含む代表的なOTC類似薬は、抗アレルギー薬(アレグラ、アレジオン、クラリチン、タリオン、フルナーゼ点鼻薬)、解熱消炎鎮痛剤(ロキソニン、イブプロフェン、カロナール、フェルビナクテープ)、消炎鎮痛剤(ラクール冷湿布)、皮膚保湿剤(ヒルドイドゲル)、ステロイド(ロコイド軟膏、リンデロンV軟膏)、去痰剤・咳止め(ムコダイン錠、メジコン)、制酸・緩下剤(マグミット錠、ガナトン錠、ガスターD錠)、感染症(ゾビラックス軟膏、ラミシールクリーム)など約1100品目に含まれ幅広く患者に影響が出る。今のところは高血圧、糖尿病、高脂血症等の生活習慣病に対する薬剤は対象になっていないが、推進派は今後の課題としてこれも視野に入れている。
これにより具体的には、患者の自己負担はどれくらいに増えるのか。OTC類似薬薬剤費の4分の1をまず負担、残り4分の3を保険負担割合1~3割で別途自己負担となる。例えば、薬剤費(10割)100円とすると、まず100円の4分の1(25円)負担、自己負担3割の保険では残り75円の3割(約23円)となり合計48円のOTC類似薬部分の薬剤費自己負担となる。今まで3割の30円であったので、約1.6倍の薬剤費負担となる。OTC類似薬薬剤の数や日数が増えると、大きな負担となる。ただし、子どもやがん患者、難病患者、配慮が必要な慢性疾患患者には、この追加料金(OTC類似薬の4分の1の負担金)は免除される。
一方、6年10月にスタートした長期収載品の選定療養は、患者が対象品目を希望する場合に「後発品の薬価が最も高い価格帯との価格差の4分の1」を「特別の料金」として患者が負担していたが、新たに「後発品との価格差の2分の1」を「特別の料金」として患者から徴収することが合意された。9年度中にこれが実施されることになる。
OTC類似薬の保険外しは見送られたものの、患者の自己負担が増えるのは確実で、その心理的な影響で受診抑制は確実に起こる。そのために必要な医療が受けられず重症化するといったような問題が危惧される。蟻の一穴となったが、これ以上拡大しないようにしないといけない。国民皆保険制度の崩壊につながらないように注視していかなければならない。