
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

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府医ニュース
2016年1月27日 第2773号
大阪府医師会は平成27年11月5日午後、大阪糖尿病対策推進会議と共催し、糖尿病日常診療の進め方研修会(第1日)を府医会館で開催した。
開会のあいさつで矢野隆子・府医理事は、本日の講演を日常診療に役立ててほしいと期待を寄せた。研修会は福田正博・同会議幹事(大阪府内科医会長)の司会により進行され、2題の講演が行われた。まず、住谷哲氏(日生病院糖尿病・内分泌センター部長)が「かかりつけ医のための2型糖尿病の薬物療法――基礎治療薬としてのメトホルミン」と題して講演。2型糖尿病の治療では、合併症の細小血管障害・大血管障害に加え、今日では認知症やがんにも配慮する必要があると述べた。また、近年の基礎治療薬には、▽確実な血糖降下作用がある▽低血糖を生じない▽体重を増加させない▽長期の安全性が担保されている▽安価である――などが求められていると分析し、メトホルミンがこれらの要件を満たすと言及。禁忌に該当しない限り投与を推奨すべきだとの持論を展開した。
続いて、杉本研氏(大阪大学大学院医学系研究科老年・腎臓内科学老年・高血圧内科副科長)が「糖尿病とサルコぺニア」について講演。我が国では、平均寿命が延びた一方で、フレイル(虚弱)とされる高齢者も増加し、サルコぺニアが問題視されているとの見解を示した。その上で、糖尿病患者はインスリン作用不足や神経障害などにより筋量や筋肉が減少する傾向にあると指摘。サルコペニアによる筋量減少は、インスリン抵抗性や活動量減少から糖尿病のリスクを上昇させるなど、糖尿病とサルコペニアは密接に関連していると解説した。また、高齢者の糖尿病管理のポイントとして、▽フレイルを意識した治療目標設定▽低血糖、血糖変動を考慮した管理▽有害事象と服薬管理、療養環境に配慮した薬剤選択と管理▽生活習慣の見直し――を挙げ、それぞれを詳述。超高齢社会においては、健康寿命の延伸が最も大切だと語った。