継続的な関係諸機関の連携により早期の麻しん排除を

府医ニュース 2012530 2641

 

国は、昭和51年6月から予防接種法に基づく予防接種の対象疾患に麻しんを位置付け、積極的な接種勧奨等を行うことで麻しんの患者数は確実に減少してきた。更に、従来法の接種(1回接種)では免疫の獲得が不十分であることを受け、平成18年4月からは接種回数を1回から2回とすることで免疫獲得をより確実とするように努めた。しかし、19年に10代から20代の若者を中心に麻しんが大流行し、国内外で大きな混乱が生じて社会問題化し、我が国の麻しん対策が十分でないことが露呈した。

 

 麻しん対策については、ワクチン接種率の向上が世界共通の認識で接種率95%を達成目標としており、隣国の韓国は既に達成したと宣言している。世界保健機関西太平洋地域事務局は、24年までに麻しんの排除(@国外で感染した者が国内で発症する場合を除き、麻しんの診断例が1年間に人口百万人当たり1例未満であり、かつ、全数報告等の優れたサーベイランスが実施されていること、A2回の予防接種率がそれぞれ95%以上であること、B輸入例に続く集団発生が小規模であること)を達成することを目標に掲げ、我が国もこれに向けての対策が求められているところである。

 

19年の大流行を受け、感染症法第11条第1項及び予防接種法第20条第1項の規定に基づき策定されている「麻しんに関する特定感染症予防指針」には、24年度までの5年間、麻しん排除の特別対策の実施が定められた。現在、各市町村において幼児期(第1期及び第2期)の麻しんワクチンの接種とは別に、中学1年生(第3期)及び高校3年生(第4期)相当の者への麻しんワクチン接種が予防接種法上の定期の予防接種事業として実施されているが、思うような接種率向上には至っていない。

 

 大阪府の接種率は第1期を除き全国ワースト5に入り、21年度時点で第3期79.9%、第4期68.1%と、達成目標の95%に遠く及ばない。大阪府医師会ではこれまで郡市区医師会の協力の下、行政、教育委員会等関係諸機関に働き掛けるとともに、生徒や保護者への啓発による接種率向上に努めてきた。また、大阪市では23年度に大阪市医師会連合会、大阪市中学校会、養護教員会、大阪市予防接種担当所管課(大阪市保健所)、大阪市教育委員会学校保健担当課の代表者からなる「集団的個別接種実施検討委員会」を設置し、効果的な勧奨の方法、集団的個別接種の方法について検討を行った。その結果、関係諸機関が連携し、23年度には大阪市立中学校において、MRワクチン(第3期)集団的個別接種を全128校中86校で実施し、24年2月末現在(3月一部補正)、免疫保有率は87.5%となっている。

 

 24年度はMRワクチン時限措置、及び世界保健機関が目指す麻しん排除達成の最終年度に当たる。府医は郡市区医師会をはじめ府内全域の行政、教育委員会との連携、及び接種対象者・保護者への啓発を継続的に行い、早期の麻しん排除に努めていきたい。