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時事

第8次医療計画等に関する意見

府医ニュース

2023年3月29日 第3031号

ICTの活用や連携を促す

 令和4年12月28日に第8次医療計画等に関する検討会は、「医療計画作成指針」「疾病・事業及び在宅医療に係る医療提供体制構築に係る指針」等の見直しが必要と考えられる事項を中心に意見の取りまとめを行った。
 医療計画の作成について、医療のアクセスや質を確保しつつ、持続可能な医療提供体制を確保するため、医療機能の分化・強化、連携や地域包括ケアシステムの推進等の取り組みを進めてきた。地域医療構想を引き続き着実に推進し、2040年を見据えた人口構造の変化への対応を図ることが必要である。さらに、質の高い医療の提供や効率化を図る観点から、情報通信技術(ICT)の活用や医療分野のデジタル化を推進することが求められている。
 6年度から始まる第8次医療計画を作成する際には、これらの課題を踏まえ、地域の実情に応じて、関係者の意見を十分踏まえた上で行うこととする。
 その中でも在宅医療提供体制における見直しの方向性として、今後見込まれる在宅医療の需要の増加に向け、地域の実情に応じた体制整備を進める。「在宅医療において積極的役割を担う医療機関」および「在宅医療に必要な連携を担う拠点」を医療計画に位置付け、適切な在宅医療の圏域を設定するとともに、「在宅医療に必要な連携を担う拠点」と「在宅医療・介護連携推進事業」との連携を進める。
 具体的には、国は、都道府県に対し、訪問診療および訪問看護の必要量の推計や小児の在宅医療について実態を把握するためのデータを提供する。そのデータを踏まえ、都道府県は在宅介護の提供体制も勘案しながら、適切な在宅医療の圏域を設定し、地域での協議・調整を通じて体制整備を進める。すなわち、地域の実情に応じ、地域医療介護総合確保基金等も活用し、訪問診療における医療機関間の連携やICTの活用等による対応力強化、これまで訪問診療を担ってこなかった医療機関や新たに開業する医療機関への参入促進等に取り組むこととする。「在宅医療において積極的役割を担う医療機関」および「在宅医療に必要な連携を担う拠点」の目標や求められる事項については、医療機関や当該拠点がそれぞれ担うべき機能や役割を整理する。圏域を設定するに当たって、医療資源の整備状況や介護との連携のあり方が地域によって大きく異なることを勘案し、従来の二次医療圏にこだわらず、できる限り急変時の対応体制や医療と介護の連携体制の構築が図られるよう、「在宅医療において積極的役割を担う医療機関」および「在宅医療に必要な連携を担う拠点」の配置状況ならびに地域包括ケアシステムの状況も踏まえ、市区町村や保健所圏域等の単位ごとの医療および介護資源等の実情に応じて弾力的に設定することとする。
 「在宅医療に必要な連携を担う拠点」と「在宅医療・介護連携推進事業」が同一の実施主体となり得ることも含め、両者の関係については明確にし、連携を進める。前者の整備状況や後者との連携について、実態把握と連携確認を行う。在宅医療の体制整備においては、医療計画と介護保険事業(支援)計画の整合性を図るため、医療計画策定の際に、都道府県や市区町村における医療・介護の担当部局間で協議を行うこととされた。
(中)