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医師・医療関係者のみなさまへ

HIV地域医療連携研修会

府医ニュース

2023年3月1日 第3029号

地域での連携体制が重要に

 大阪府医師会は大阪府からの委託を受け、令和4年度「HIV地域医療連携研修会」を1月23日午後、府医会館で行った。今回も新型コロナウイルス感染症の感染拡大に鑑み、聴講者を入れずに実施した。
 研修会は福田弥一郎氏(府医感染症対策・予防接種問題検討委員会委員)が座長を務め、はじめに宮川松剛理事があいさつ。医療機能分化が進み、今後はHIV陽性者の生活習慣病や慢性疾患を一般診療所で診る機会が増えると見通し、本研修会が診療体制構築の一助になればと期待を寄せた。
 引き続き、白阪琢磨氏(同委員会委員長/大阪医療センター臨床研究センター長)が、「HIV感染症で期待される病診連携と新たな課題」と題して講演した。まず、HIV感染症は治療の進歩により「慢性疾患になった」と言及。治療が良好(ウイルス量が200コピー/ミリ㍑未満)であれば、感染を広げることはほとんどないと述べた。
 一方で、陽性者の平均余命は非感染者と同程度となり、「患者数は増え続けている」と指摘。患者の高齢化ともあいまって生活習慣病を合併するケースも多く、診療体制の再構築が課題との認識を示した。その上で、長期療養に向けた地域での支援体制の確立が求められると強調。特に高齢患者にとっては、在宅医療、施設入所の可否も不安材料となっており、一般の病院・診療所の介入が望まれると結んだ。
 なお、本研修会の模様は、府医ホームページ「医師・医療関係者のみなさまへ」をクリック、「研修会動画・学習用資料」コーナーに掲載している。視聴にあたってはID・パスワードが必要であり、所属の郡市区等医師会もしくは府医地域医療1課(電話06―6763―7012)までご連絡願いたい。