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医師・医療関係者のみなさまへ

在宅療養者における重度化防止・自立支援に関する研修会

府医ニュース

2023年3月1日 第3029号

患者の生活を知り、支援することが大切

 大阪府医師会は大阪府在宅医療総合支援事業の一環として、「在宅療養者における重度化防止・自立支援に関する研修会」を令和4年12月17日午後、府医会館で開催。ウェブとの併用により、会員および在宅医療に関わる多職種ら約100人が聴講した。

 開会に先立ち、中尾正俊副会長があいさつ。要介護高齢者等が住み慣れた地域で、自分らしく生活を送れるよう支援することが求められていると前置き。本研修会が地域における要介護高齢者等の重度化防止の推進に役立てばと期待を寄せた。
 講演は、守上賢策氏(府医介護・高齢者福祉委員会委員/守上クリニック院長)が座長を務め、奥知久氏(KISA2隊大阪事務局長/おく内科・在宅クリニック院長)が「在宅療養者の重度化防止・自立支援について――医師の立場から」と題して登壇。まず、自立支援では、生活状況に適応するように医療を提供していくことが求められ、「患者の生活を知ること」が大切と強調。さらに、医師の力だけで支援することは難しく、「多職種との連携」が重要であると説示した。そのほか、奥氏が患者のできない部分に着目した「しくじり」経験から学んだことを紹介。ICF(国際生活機能分類)の概念にもあるように、できることに焦点を当て、「生活機能というプラスの側面から見ること」の重要性を述べた。
 次に、奥田勇気氏(理学療法士/訪問看護ステーションビブレ大阪代表取締役)が「在宅療養患者の重度化防止・自立支援について――コメディカルの立場から」をテーマに講演。ICFに着目したリハビリで、自立支援を促した事例を紹介し、今後、医療・介護現場でその概念の導入が当たり前になっていくと見通した。
 最後に、柳生国良氏(大阪府福祉部高齢介護室介護支援課長)が「大阪府における自立支援、介護予防・重度化防止の取組み」を紹介。オール大阪で高齢者の積極的な社会参加を促す「大阪ええまちプロジェクト」事業などの取り組みを詳説した。