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医師・医療関係者のみなさまへ

医学生、研修医等をサポートするための会

府医ニュース

2023年2月22日 第3028号

女性医師が活躍できる環境整備目指す

 令和4年度「医学生、研修医等をサポートするための会」が4年12月1日午後、ウェブで開催された。同会は在阪5大学医師会と大阪府医師会、日本医師会の共催で実施。今年度は近畿大学医師会が主務を担当し、「女性医師が生き生きと働くために」をテーマに講演とパネルディスカッションを行った。当日は53人が参加した。
 司会を小山敦子氏(近畿大学医学部内科学教室心療内科部門教授)が務め、冒頭、東田有智氏(同大学医師会長)と笠原幹司・府医理事があいさつ。笠原理事は、仕事と子育ての両立に向けて様々な支援策が推進されている一方、男性の育児休暇取得率はいまだに低いとの現状を伝えた。これからの医療を担うすべての医師が一層活躍できるよう、安心して医療を提供できる体制の構築、勤務環境の改善のほか、職場や家庭における理解・協力も不可欠であると呼びかけた。
 続いて、小牟田清氏(大阪府結核予防会大阪複十字病院総長)が「若手女性医師が生き生きと働くために必要なことは何か?――現状の問題点と医療のDXにどのように順応すべきか」と題して講演。女性医師の割合が年々増加する中、働き方改革の推進は病院経営にとっても重要と指摘した。また、新専門医制度におけるシーリングや医師の時間外労働規制を進める上での様々な課題に言及。医師の確保、看護師・薬剤師・事務職員の増員に加え、AIの活用は医療従事者の負担を大きく軽減するとし、医療DX人材の育成が急務と述べた。結びに、女性医師の活躍には病院幹部の理解が必須とし、新しい時代に向けて迅速な組織改革が求められると語った。
 また、岩永賢司氏(近畿大学病院総合医学教育研修センター長)による座長の下、「女性医学生の立場から――医学生からみたキャリアの理想と現実」(吉川真理子氏/同大学医学部学生連絡会長)、「女性医師の立場から――ママさん医師の日常~近大泌尿器科医の一例~」(坂野恵里氏/同大学医学部泌尿器科学教室助教)――の各発表が行われた。それぞれの立場から、仕事と家庭の両立、女性医師が働き続けることのできる環境づくりなどを取り上げた。
 次いで、演者全員でパネルディスカッションを展開。最後に、笠原理事より「日医女性医師バンク」の紹介がなされた。