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府医ニュース

2023年2月15日 第3027号

 ◆沖縄本島北部山原(ヤンバル)に大宜味村を訪ねた。琉球古民家の芭蕉布工房で、伝統の芭蕉布や民芸品を楽しんだ。細く裂いた糸芭蕉の外皮を束ねた「魔除け」を我が家へと。
 ◆糸芭蕉の内皮の線維(苧)から糸を紡ぐ(苧績み)。草木で糸を染め、芭蕉布を織る。琉球王朝時代から官服・普段着として広く使われた。芭蕉布には魔除けの力があるとされ、大切な人を守るために女性達によって心込め織られた。
 ◆大戦末期沖縄戦で糸芭蕉の畑が壊滅し、芭蕉布織りが途絶えかけた。戦後、一人の女性が古里ヤンバルに戻り、祖母や母から教えられた芭蕉布に取り組む。糸芭蕉を育て、苧績みから織りまで手立てを一つひとつ踏み、芭蕉布の里を守った。
 ◆コロナ禍では、専用病床への転換、発熱外来の分離、救急対応の制限など医療体制に多大の影響を与えた。3年を越え、ようやく5類への移行が視野に入る。しかし、季節性インフルエンザ同等とした時のリスクを検証し、一つひとつ解消する手順を踏んでの再構が必須である。(翔)