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医師・医療関係者のみなさまへ

第2回旭区医療・介護安全講習会

府医ニュース

2023年2月15日 第3027号

ストーカー・セクハラなど事例を交え討論

 旭区医師会(焦昇会長)は令和4年11月30日午後、同区医師会館で第2回「旭区医療・介護安全講習会」を開催。オンラインでも当日の様子を伝え、約70人が聴講した。井上剛氏(同区医師会理事)が司会を務め、はじめに焦会長があいさつ。医療機関への放火や医師らが殺害されるなどの凶悪な事件が実際に起きており、医療従事者の暴力被害が明らかになってきたと指摘。医療者・患者の安全を確保するためにも警察の支援は欠かせないとし、本研修会の意義を説いた。次いで、来賓として樋口洋子氏(大阪府女医会長)が登壇。会員の中でもハラスメントによる診療への影響が懸念されており、本研修会を参考にして対策に取り組みたいと述べた。
 第1部では、櫻井康雄氏(同区歯科医師会長)が座長を務め、服部幸平氏(旭警察警部補)が、「旭区における被害防止対策について」と題して講演。同区の犯罪件数を報告するとともに、特殊詐欺防止の重要性を訴えた。警察でも被害防止への啓発を行っているものの、効果が行き届いていないと憂慮。医師の発言に耳を傾ける高齢者は多く、診療の合間に、「ATMで還付金は戻らない」などの声かけを要請した。
 第2部では、河本英恵氏(同区医師会理事)が座長となり、井上優子氏(同区歯科医師会)、横田文子氏(同区薬剤師会長)、青山さつき氏(大阪府女医会副会長)、三木勝幸氏(同区障がい者基幹相談支援センター「あさひ」)が実際に体験した患者からのストーカー行為やセクハラ事例、警察との連携で適切に対応できた実例などを紹介。聴講者を交えて意見交換が行われた。また、旭警察からはハラスメント防止策や患者対応の改善点などをアドバイス。一方で、「医療につなげることが重要なケースも多い」とし、事件に発展する前に警察へ相談することが有用だと加えた。
 最後に、木野稔氏(同区医師会副会長)が閉会あいさつ。医療・介護安全の認識の広がりに期待感を示し、同様の取り組みが各地で進んでほしいと結んだ。