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医師・医療関係者のみなさまへ

在宅医療における感染対策研修会

府医ニュース

2023年2月1日 第3026号

コロナ往診の実際について解説

 大阪府医師会は令和4年10月20日午後、「在宅医療における感染対策研修会」を府医会館で開催。ウェブとの併用で、会員および在宅医療に関わる多職種ら約150人が受講した。
 当日は、塚本雅子氏(府医介護・高齢者福祉委員会委員)が座長を務め、まず中尾正俊副会長があいさつ。本研修会で感染対策に関する知識を深め、新型コロナウイルス感染症等に対応可能な医療機関が増えてほしいと期待を寄せた。
 続いて、小林正宜氏(新型コロナ訪問診療チームKISA2隊大阪隊長/葛西医院長)が「在宅診療における感染対策と多職種連携の活用――コロナ往診の具体的方法と診療の進め方」と題して講演。3年9月に「KISA2隊大阪」を立ち上げた経緯やこれまでの活動実績などを説示した。活動内容として、新型コロナの自宅療養患者への往診スキームなどを紹介。KISA2隊は大阪だけでなく全国にも展開していると述べ、「小さな力が大きな一歩になる」と強調した。さらに、在宅での治療のポイントのほか、往診における準備物品・診療手順について実技を交えながら解説。これまでの経験から、「正しい感染対策さえ守っていれば安全に往診することができる」と伝えた。KISA2隊では引き続き、地域医療のシームレスな連携による患者支援や、コロナで分断された人・社会の修復にも努めていきたいと述べ、協力を求めた。
 引き続き、平山司樹氏(葛西医院訪問看護ステーションかっさい管理者)が「新型コロナ患者への訪問看護の実際――途切れさせない! 支援を継続させるために必要なこと」をテーマに登壇。コロナ陽性者は周囲の人との付き合いが途切れてしまうため、「こころの孤独死」に注意が必要と指摘した。また、訪問看護での工夫や心がけている点に言及。いつもと変わらない在宅医療を提供する上で最も重要なことは「平時からの仲間づくり」との見方を示し、今後もチームの輪を広げていきたいと語った。