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府医ニュース

2023年2月1日 第3026号

 ◆岸田文雄首相は、鈴木俊一財務相に2023~27年度の5年間の防衛費総額を約43兆円とするように指示した。これは現行の中期防衛力整備計画の1.5倍の規模となる。
 ◆問題はまず、軍備の増強によって、日本の安全が守られるかである。我が国は、ロシア、中国、北朝鮮に隣接しており、すでに緊張状態にある。仮に、我が国の軍備が大幅に増強されれば、これらの国々はさらなる軍事力の拡大に動くであろう。有事の際の国土防衛に、自衛隊の戦力が有効であるかは疑わしい。
 ◆もう一つは、莫大なこの費用をどのように調達するかである。すでに、膨大になっている国債をさらに増額することは困難で、財政再建による経費削減も現在の国の姿勢では期待薄である。
 ◆結局、消費税、所得税、法人税等の増税と、福祉予算の削減に行き着く可能性が高い。そうなれば、有事になる前に国民の生活が脅かされかねない。
 ◆医療従事者としては、国民の生命を守るために、福祉予算の削減には明らかに反対の姿勢を示し、対処していきたい。(浩)