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郡市区等医師会 組織強化担当役職員連絡協議会を開催

府医ニュース

2023年2月1日 第3026号

研修医2年間の会費減免を提示

 郡市区等医師会組織強化担当役職員連絡協議会が令和4年12月16日午後、大阪府医師会館で行われた。日本医師会の要請を受けて開催するもので、「三層すべての組織を挙げての早急な対応」を目指す。郡市区等医師会長は会場、担当役職員はウェブで計約160人が参加した。

 当日は栗山隆信理事の司会で開会した。急用のため出務がかなわなかった高井康之会長に代わり、栗山理事があいさつ。組織の強化は喫緊の課題とし、活発な協議を促した。
 次いで、茂松茂人・日医副会長が、「医師会組織強化に向けたさらなる取り組みについて」と題し、ウェブで講演した。まず、日医への入会に対する基本的な考え方として、日医は医師個人の資格で加入する「我が国唯一の医療界を代表する組織」と前置き。すべての医師は医師会活動に参画してほしいとの見解を示した。また、医師会の取り組みを「自分事」として認識してもらうためには、医師会に入会し体験してもうらことが第一歩になると強調。日医では5年度より医学部卒後5年間の会費減免期間を設け、その期間の中で医師会への理解を促していきたいとの展望を語った。
 さらに、茂松・日医副会長は府医における研修医の加入状況を提示。研修医の郡市区等医師会入会率は42.7%(全国平均41.9%)で、そのうち日医まで入会する研修医は76.5%(同92.6%)と全国に比べて低く、入会促進に向けて取り組んでほしいとの要請がなされた。
 その上で、医療政策を実現するためには、医師の代表団体と認められるよう組織率を上げることが重要だと指摘。日医では医師賠償責任保険や医師年金などの事業、育児との両立支援、医学研修も充実させているとし、日医への加入を勧めてほしいと結んだ。

府医の取り組み

 続いて、加納康至副会長が登壇。組織強化に向けた府医の取り組みを語った。まず全国の医師に対する日医会員の割合は、現在51.2%で、「過半数を割れば、医師の代表として声を上げにくくなる」と危機感を示した。
 次いで、府医の具体的な動きとして、平成25年度より「新研修医ウェルカムパーティー」を開催し、研修医に府医入会を呼びかけていることや、30年度からは2年目の研修医を対象とした「ウェルカムパーティーPartⅡ」で会員を継続することの重要性を訴えているとした。また、勤務医部会の「医学生と語る会」や各大学で府医会長が講義するなど、学生のうちから医師会の存在意義を伝えていると加えた。
 府医では、日医の会費減免方針に関する協力要請を受け、「組織強化に関するワーキングチーム」で検討を重ねたと説明。昨年12月8日の理事会(定例兼政策検討)で、5年4月から医学部卒後2年間の範囲で会費を減免することを決定したと明かした。今後は3月開催の臨時代議員会で「予算の報告」として諮る。
 最後に加納副会長は、「組織強化は喫緊の課題であり、全医師会で足並みを揃えたい」と訴え、府医の方向性に改めて理解を求めた。