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在阪5大学医師会役員・2行政医師会役員との懇談会

府医ニュース

2023年1月25日 第3025号

新専門医制度のあり方について協議

 大阪府医師会勤務医部会は11月24日夕刻、府医会館およびウェブの併用により在阪5大学医師会役員・2行政医師会役員との懇談会を開催した。

 冒頭、高井康之・府医会長があいさつ。高井会長は、府医の各種事業ならびに勤務医部会活動への理解・協力に謝意を表するとともに、本懇談会のテーマである「新専門医制度」の課題点や若手医師にとって魅力ある制度にしていくための方策について協議していきたいと述べ、忌憚のない意見交換に期待を寄せた。続いて、澤芳樹・府医勤務医部会長(府医副会長)は、本懇談会は大学医師会および行政医師会と情報共有を図る重要な機会であると述べ、新専門医制度をはじめ現場での声を今後の部会活動に生かしていきたいとした。
 懇談会は、中尾正俊・府医副会長の座長により、まず日本専門医機構副理事長を務める角田徹・日本医師会副会長が「新専門医制度と日本医師会の考え方」と題して基調講演を行った。角田氏は、従来の専門医制度について、▽各学会が独自に制度を構築しており基準が不統一▽多種多様な専門医が乱立しており、国民にとって分かりにくい▽初期臨床研修は必須であるが、その後の専門研修が各施設任せ――などの課題があったと述べ、平成30年より「新専門医制度」が導入されたと説示。それぞれの診療領域において患者から信頼され、領域の専門的な医療を提供できるプロフェッショナルな医師の育成が目標であると語った。次に、日本専門医機構の役割について解説。19の委員会を設置し、制度設計に関わる議論を行っているほか、地域ごとの専門医数などを把握しデータベースを構築することで医療政策に生かす取り組みを進めていると明かした。最後に、新専門医制度の運用については、サブスペシャルティやシーリング、専門医の更新など様々な課題が残されているが、現場の意見を取り入れつつ改善していきたいと締めくくった。
 引き続き、大阪大学・大阪公立大学・大阪医科薬科大学・関西医科大学・近畿大学・大阪府庁・大阪市役所各医師会がそれぞれの状況について発表。シーリングや内科専攻医登録評価システム「J-OSLER」による負担増大などによる影響が示された。その後の意見交換では、新専門医制度に対する日医の関わりや厚生労働省の思惑などについて議論が交わされた。

日医の組織率強化に協力を要請

 なお、当日は本懇談会に先立ち、茂松茂人・日医副会長(府医理事)が「医師会組織強化について」と題して講演。日医入会率が低下している現況を憂慮し、日医の発言力を強めるためにも組織強化の重要性を強調した。その上で、日医においては卒後5年までの会費減免を決定したことを報告し、大学および行政の各医師会に対して入会促進に協力を求めた。