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医師・医療関係者のみなさまへ

令和4年度文化講演会

府医ニュース

2023年1月25日 第3025号

同志社大学教授・村田晃嗣氏が講演

 大阪府医師会・大阪府医師協同組合の共催による令和4年度文化講演会が4年11月19日午後、同組合本部で開催された。本講演会は会員とその家族、会員医療機関従業員への福利厚生事業として毎年開催されている。今回は、同志社大学法学部教授の村田晃嗣氏が「激動する世界情勢と日本の課題」と題して講演を行い、約70人が聴講した。
 まず小谷泰・同組合理事長が開会あいさつ。「医業経営の安定」と「暮らしの充実」を目的に様々な事業を実施し、規模・内容・実績で全国トップクラスの組合に発展したと報告。来年度に創立70周年を迎えられるのも、ひとえに組合員の支援のおかげと深く感謝の意を表し、本講演が実りあるものになればと期待を寄せた。
 はじめに村田氏は、今年一番の国際的な出来事として「ロシアによるウクライナ侵攻」を挙げた。プーチン大統領をウクライナ侵攻へ駆り立てた理由として、「国際社会でのロシアの地位低下に対する焦り」と推測。弱体化する前にウクライナを支配して「大国」として踏みとどまる基盤を確保したいという思いが強かったのではないかと述べた。そのほか、戦争が長期化している要因や終結へ向けた和平交渉における重要な争点などに言及した。
 また、アメリカ中間選挙や中国のロックダウン、人口動態など各国の情勢を踏まえ、政権運営や政策を中心に詳説した。
 最後に、次世代が生きる2050年の日本を予見できるならば、教育・経済・外交分野において、いつまでに何を行うべきかを考えるべきだと指摘。自分達にできる責任を果たして次の世代に引き継ぐことが、今我々に課されている最大の使命であると締めくくった。