高橋幸宏氏逝去

　令和２年から脳腫瘍で治療中であった氏の訃報が、１月14日に伝えられました。「高橋ユキヒロ」と言えば、イエロー・マジック・オーケストラ（ＹＭＯ)のドラムス（とヴォーカル）であり、「ライディーン」の作曲者でもありますが、多彩な芸術面での才能を持った方で、同時にファッション・デザイナー、俳優、随筆家としても活躍されていたそうです。
　小筆はＹＭＯ以来のファンの一人ですが学生時代、下宿で勉強に倦むと、ＬＰレコード（昭和です！）で、ライディーンやトンプウを聴いては気合を入れ直していました。夏休みや冬休みに帰省する折は、テキストと一緒にレコードを持ち帰っていました。ノリがよく「レ・ミ・ファァ～♪」と口ずさみやすい、氏のドラム（のリズム）が正確というか精妙で、ベースやキーボードの音に微妙に前後するのも計算されていて、聴く度に、曲の素晴らしさとともに演奏の見事さに夢中になりました。「途端に脳みそが持っていかれてしまう」ので、ＢＧＭどころか一旦、本を閉じて聴いていたことを思い出します。
　ライディーンは今聴いても、本当にカッコイイ。全く色褪せず、聴く度に新鮮さを感じる名曲です。実は「ライディーンをはじめとするＹＭＯの名曲が無かったら、国家試験に受からなかったかも」と秘かに思っているほど、学生生活の最後の２年間、鬱屈した気分を払拭し、力づけてもらいました。
　お会いしたこともない無縁の方で、しかも市井の一ファンの他愛もない話ながら、こんなことを思い出しました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
（猫）