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医師・医療関係者のみなさまへ

大阪府女医会 第14回総会・講演会

府医ニュース

2022年7月6日 第3005号

樋口氏が会長に再任

 大阪府女医会(樋口洋子会長)は6月19日午後、第14回総会を開催。大阪市内の会場とともにウェブを併用し、会員167人(内委任状出席141人)が参加した。

 冒頭、樋口会長があいさつ。本会の活動への会員の理解と協力に謝意を表するとともに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大も収まりつつあり、今後は対面での諸活動を徐々に再開していきたいと述べ、一層の協力を求めた。その後、議長・副議長選出に移り、議長に青山さつき氏、副議長に坂口依理子氏が選出された。決議事項では、令和3年度事業報告・収支決算および監査報告、4年度事業計画・予算、理事・監事・評議員の選任について担当理事より説明の上、それぞれ承認。なお、総会後には、臨時理事会が招集され、代表理事たる会長に樋口氏の再任が決まった。

最新のニキビ治療について解説

 総会に引き続き、講演会が実施され、まず、石田祐哉氏(南森町いしだ皮フ科院長)が「外来で役立つニキビの見方、ここまで進んだニキビ治療薬」と題して講演した。石田氏は、ニキビ(尋常性ざ瘡)は面皰が初発疹であり、面皰に対する治療薬を紹介。面皰から治療して再発を防ぐことが瘢痕予防だけでなく耐性菌の増加を防ぐ効果もあると語った。

茂松・府医会長が最近の医療情勢について講演
財務省主導の医療費抑制策を危惧

 続いて、樋口会長による座長の下、茂松茂人・大阪府医師会長が「最近の医療情勢――新型コロナウイルス感染症を経験して」と題して講演。茂松会長は、我が国の人口推移、人口ピラミッドの変化を示し、少子高齢化と疾病構造の変化について説示した。また、我が国の財政状況について言及。国の一般会計歳入は税収と公債金で構成されており、約3割を公債金に依存していると述べた。さらに、令和2年度には147兆円もの公費が新型コロナウイルス感染症対策として使われるなど歳出が拡大しており、今後ますます社会保障費抑制策が厳しくなると見通した。その上で、全世代型社会保障構築会議における議論の中間整理や財政制度等審議会「歴史の転換点における財政運営(春の建議)」について解説を加えた。特に、社会保障財源について、日本は国民の個人負担が大きい一方で企業負担が他国に比して少ないと指摘。企業の内部留保拡大につながっているとして疑問を呈した。そのほか、リフィル処方箋の導入、オンライン資格確認システム導入の義務化、かかりつけ医機能の制度化、初診からのオンライン診療などについて説述し、財務省主導の医療費抑制策に危惧を示した。