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医師・医療関係者のみなさまへ

大阪医科薬科大学で茂松会長が特別講義

府医ニュース

2022年7月6日 第3005号

日本の医療制度や医師会の役割伝える

 大阪医科薬科大学では、大阪府医師会から講師を招き、第3学年を対象に特別講義を実施している。5月25日午後には、「PBL診断学入門コース」において茂松茂人会長が、「日本の医療制度と医師の業務」をテーマに講演。医学部生113人が受講した。

国民に対する医療の質保証が医師会の責務

 はじめに、中野隆史氏(同大学微生物学・感染制御学教室教授)より、「日本の医療制度を学び理解を深めてほしい」とあいさつがあり、茂松会長が登壇した。まず、医師会が設立された経緯に触れた後、医師会の役割や活動などを説明。医師会の存在意義は、国民に対して「医師と医療の質保証」に責任を負う体制を築くことであると力説し、▽安定した地域医療体制の構築▽安全な医療の確立▽保健活動を通じた国民の健康維持・増進▽会員医療機関の経営の安定――など国民の命と健康とともに会員を守る活動を行っていると語った。
 続いて、日本の医療制度を解説。保険診療の仕組みや医療に関連する法律、診療報酬が支払われる条件などを詳説した。加えて、無診察治療や濃厚(過剰)診療など保険診療の禁止事項も軽視してはならないと強調。保険診療は保険者と保険医療機関の公法上の契約であり、違反すれば保険医資格の取り消しなど重い行政措置が科せられることもあると注意を促した。さらに、日本の医療の特徴として①国民皆保険制度②現物給付③フリーアクセス④低コストで平等な医療サービス⑤世界一の平均寿命⑥低い乳児死亡率――を挙げた。
 次いで、新型コロナウイルス感染症を巡る対応として、会内に対策本部を設置したことや「外来医療ひっ迫度指数の発信」「岸田首相と会談」など府民目線で独自に取り組んだと力を込めた。
 そのほか、医師の業務に触れ、患者に寄り添うことの大切さを改めて指摘。人生の最終段階における医療・ケアなどの方針を話し合うACP(人生会議)を説示し、「思いやりを持った医師を目指してほしい」と結んだ。