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戦のない世

府医ニュース

2022年6月15日 第3003号

 NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(脚本/三谷幸喜)を見ています。鎌倉幕府の2代執権北条義時を主人公に鎌倉幕府の成立前後の時代を描いています。
 「謀反の疑い」だけで命を取られる、讒言、裏切り、肉親ですらいつ敵になるか分からない、全く大変な時代です。
 こんな時代がいったいいつまで続いたのか?「イイクニ(1192年)つくろ、鎌倉幕府」とか年表的な知識として知っていただけの日本の歴史について、改めて考えてみました。源氏は身内同士の争いであっと言う間に絶え、それに代わった北条氏もやがて滅び、南北朝の動乱から室町時代、戦国時代を経て江戸時代になってようやく、日本国内での戦争はほぼない時代が訪れます(ちなみに来年の大河ドラマの主人公は徳川家康です)。
 明治維新の混乱を経て、西南戦争を最後に国内での戦争はなくなりました。しかし、その後、日清、日露戦争など外国との戦争が始まってしまいました。
 現代の日本では、法律や裁判制度があり、権力争いが命のやり取りになるようなこともなく、人間は少しは進歩したのでしょうか? しかし、大河ドラマの定番セリフ「戦の無い世を作りたい」(このドラマで源頼朝も言っています)は、今も世界を見渡せば実現していません。
 自分がもし「鎌倉殿の13人」の時代に男として生まれていたらとても生き延びられたとは思えない……と考えていて、はたと気付きました。どう考えても自分は農民だったはず。上層部の権力争いとは無縁で、案外生き延びたのかも。いや、天変地異が多く、飢饉もあったので分かりませんが。(瞳)