TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

調査委員会だより No.92

府医ニュース

2022年6月1日 第3002号

大阪府民の大多数は「新しい生活様式」を守っていた 文 鈴木 隆一郎(大阪府庁)

 新型コロナウイルス感染症について、人口当たりの感染者数および死亡者数ともに大阪府は都道府県で最悪とされています。大阪府民は感染予防に無関心なのでしょうか。
 「そうではない」との調査結果を示しました。この設問を含んだ「府民調査」は、大阪府医師会調査委員会が企画し、令和3年2月22日~25日に実施されました。この時点は「第3波」がようやく下火になった時でした。
 感染予防策として政府が推奨している「新しい生活様式」をほとんどすべての回答者が意識し守っていました。こうなると、「若い世代」で「あまり守っていない」3.1%、「全然守っていない」1.1%という小さな部分が逆に目立ちます。また、「かなり厳しく守っている」人々は世代を追って着実に増加していますが、これらの人々も外出した場合を意識していると思われ、家庭内でこれを堅持するのは困難でしょう。すると、「若い世代」のごく一部の人々から感染が家庭内に持ち込まれ、家庭と職場間で悪循環が生じて増幅されたのではと想像されます。
 しかし、この調査が調査受託会社の登録モニターに対して実施されたインターネット調査であったことを考慮すると、モニターにならなかった(あるいは、なれない)人々はかなり異なる生活様式なのかもしれません。
 いずれにせよ、私達は当分の間「新しい生活様式」を守りながら、大阪府は最悪という状況の原因と改善策を模索していくほかに道はなさそうです。