大阪府医師会　副会長　　加納　康至

新型コロナの試練を経て飛躍の年に

　明けましておめでとうございます。会員の皆様におかれましては、新たな気持ちで新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
　新型コロナウイルス感染症は数回の波を経験し、新たな変異株の影響が心配されていますが、２年にも及ぶ経過の中でワクチンや抗体治療薬などが登場し、治療戦略を立てられるようになってきました。また、経口治療薬なども開発中で、実戦に投入される日は近いと思われます。この戦いの最前線にいる医療に関わる者にとっては、新型コロナは大きな試練でしたが国民のニーズに応えつつ乗り越えていかねばならないと考えています。
　今回のコロナ禍で再認識したことは、有事に対して備えが必要だということです。社会的共通資本である医療は、国民にとっての安全保障であり、効率のみを考えて小さな政府を目指した結果、保健所機能を縮小したことがどのような結果をもたらしたのかは言わずもがなです。政府の考える地域医療構想も災害や感染症などに対する備えを怠らないものに修正するべきと思っていますし、医師会としても主張していかなければならないと考えています。
　一方、会員の先生方への活動はコロナ禍前とは一変しました。人が集まっての意見交換や講義を聴いて勉強することが制限されました。これによって、総会、委員会、協議会、講習会などは中止や延期になりました。一部ではウェブを用いてリモートで開催できたものもありましたが、まだまだ皆が使いこなしていると言えるほどではありません。特に担当である産業医研修会の分野では、更新のための点数が対面でないと認められないということもあり、会員の皆様にご迷惑をおかけしております。他にも、「治療と仕事の両立支援」「救急医療体制の充実」「災害への備え」「地域医療構想の中での有事対策」「ＪＭＡＴ研修」「看護専門学校で最後の卒業生を立派な看護師として送り出すこと」「医師会の組織力強化」など、課題は山積しています。
　大阪府医師会が会務を円滑に遂行できるように、庶務・経理の仕事にもしっかりと取り組んで参りますので、これからも会員の皆様のご支援とご指導を賜りますようお願い申し上げ、新年のごあいさつとさせていただきます。