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医師・医療関係者のみなさまへ

令和3年度医師会あすか会

府医ニュース

2021年12月29日 第2986号

第6波到来に備えた体制へ医師会間の連携深める

 令和3年度「医師会あすか会」が11月13日午後、大阪市内のホテルで開催された。同会は、南河内ブロックの医師会(大阪狭山市・河内長野市・富田林・羽曳野市・藤井寺市・松原市)と柏原市・八尾市医師会で構成。今回は藤井寺市医師会が主務を担い、大阪府医師会からは茂松茂人会長、中尾正俊・高井康之・加納康至副会長、阪本栄理事が出席した。
 開会あいさつで藤本恭平・藤井寺市医師会長は、新型コロナウイルス感染症の対応に追われた2年弱を振り返り、「医師・医療関係者の尽力により、医療崩壊の危機を乗り越えることができた」と力説。第6波の到来に備えた体制構築へ向け、医師会間の連携を一層深めていきたいと語った。次いで、来賓としてあいさつした茂松会長は、同会が融和と団結を図り、地域医療の充実に尽力してきたことに敬意を表した。また、新型コロナの第4波・第5波に対する府医の取り組みとして、電話・オンライン診療機関による相談体制や、往診を行う医療機関による自宅療養者へのサポートに言及。これらはひとえに「会員の協力あってのこと」と述べ、引き続きの支援・協力を求めた。
 続いて、白野倫徳氏(大阪市立総合医療センター感染症内科副部長)が「COVID―19の流行から学んだこと――ポストコロナの時代に向けて」と題して講演を行った。白野氏は、早期にワクチン接種が進んだ英国やイスラエルの感染状況から、「第6波の到来により感染者数は再び増加するが、重症者・死者数は抑えることができるのではないか」と推察。一方で、ワクチンを接種していない若年者や小児の感染が増えることを危惧した。また、「新型コロナ対策が厄介な理由」として、①無症状、軽症の人が多い②無症状の人からも感染する③検査には限界がある――を指摘。ワクチンの普及により、無症状の感染者が紛れ込む可能性は高くなっていると述べ、「誰もが感染している可能性がある」という考えの下、標準予防策の徹底が求められるとした。
 更に、コロナ禍で浮き彫りになった課題として、▽基礎疾患の悪化▽合併症・後遺症への対応▽外国籍住民の孤立――などを提示。これらの課題解決に向け、「地域の医療機関が連携を深めていくことが重要」とまとめた。