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医師・医療関係者のみなさまへ

小児救急医療研修会

府医ニュース

2021年12月1日 第2984号

発熱・けいれん時の対応など詳説

 大阪府医師会は10月28日午後、令和3年度第2回小児救急医療研修会を府医会館で開催。本研修会は、休日・夜間急病診療所における小児科診療体制の向上を目的に実施。新型コロナウイルス感染防止の観点からオンラインを併用し、会場とあわせて100人が参加した。
 冒頭、加納康至副会長はあいさつで、休日・夜間急病診療所における小児科医の確保が困難な状況にあることに言及。持続可能な小児救急医療体制の確保に向け、他科の医師にも引き続き支援を求めるとともに、本研修会が小児救急の知識を深める一助になればと期待を寄せた。
 講演では、池田和茂氏(いけだこどもクリニック院長)が座長を務め、温井めぐみ氏(大阪市立総合医療センター小児神経内科医長)が「小児の主な感染症」「発熱、ケイレンへの対応」をテーマに登壇した。まず、小児救急医療の特徴として、①軽症が多い②緊急度・重症度の予知が困難③主訴が不明確④育児不安などの社会医学的要素が強い⑤年齢や体格により薬剤量などが違う――を列挙。小児科では「親の強い不安」も入院理由になるなどの留意点を伝えた。
 次に、急病診療所で鑑別すべき感染症や、発熱、けいれんへの対応を詳説。発熱がある場合は、▽熱型▽熱の持続期間▽熱以外の所見▽年齢――などを確認した上で対応するよう呼び掛けた。また、けいれんは30分以上続くと後遺症を残す可能性があり、「とにかく全力で止めることが重要」と強調。なお、けいれんが起こった場合に使用する薬として、「ダイアップ」のほか「ブコラム」の使用も考慮してほしいと述べた。
 最後に、「単純型熱性けいれんで全身状態が良好な例以外は、すべて後送すべき」との見解を述べ、締めくくった。