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最高裁判所裁判官国民審査

府医ニュース

2021年11月17日 第2982号

 去る10月31日、衆院選と同時施行された最高裁判所裁判官国民審査では、15人の裁判官のうち11人が審査の対象とされ、全員が信任される結果となった。
 今まで衆議院選挙の投票所に行くたびに、戸惑いながら記入した(しなかった)方も多かったことと思う。しかし今年は早々とNHKの公式サイト内に特設サイトが設けられ、各裁判官の略歴、担当した裁判(10例前後)での判断等が紹介されていた。特に「夫婦別姓」と「1票の格差」については、11人の判断が表にまとめられ、「違憲」もしくは「合憲」の判断が一目瞭然となったことは大いに有用だったと思う。多くの人がこの表を参照し、投票用紙を書いたことは間違いがなさそうだ。(何を隠そう、私も一生懸命、暗記して投票用紙に×を記入した一人です)
 というのも、各裁判官に投じられた「罷免すべき」という票には5.97%から7.85%と2%弱の開きがあり、平均は6.82%であったが、明治大学政治経済学部の西川伸一教授によると、今年6月に最高裁判所大法廷が示した、夫婦別姓をめぐる判断が影響した可能性が高く、罷免を求める割合が7%を超えた4人は、いずれも夫婦別姓をめぐる判断で「合憲」と判断した裁判官であったとのこと。
 この他にも2019年の「あいちトリエンナーレ」で一時、展示が中止された作品等の展示会「表現の不自由展かんさい」のエル・おおさかでの開催については大阪府をも巻き込んでの騒動が記憶に新しいが、これに限らず近年の、特に国民が高い関心を示した裁判についての判断が裁判官毎に明記されており、非常に意義のあるサイトだったと思う。久しぶりに?NHKの「公共放送らしさ」を実感した。
(猫)