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医師・医療関係者のみなさまへ

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府医ニュース

2021年6月2日 第2966号

 ◆我が国でもようやく新型コロナワクチンの本格的な接種が始まった。
 ◆しかし、予想されていたことではあるが、現場は各部署で大変な混乱状態に陥っている。大勢の人に短期間で接種するという実施困難な計画が出されたが、実際の接種は大幅に遅れている。そのため、住民の苦情が各所に殺到する事態となった。
 ◆国の方針の度重なる変更により、行政の準備や対応は混迷を極めている。様々な問題が同時多発的に噴出しているが、これは完全に拙速な準備の結果である。
 ◆もともと我が国は完全なワクチン後進国である。今まで後ろ向きの施策しか行ってこなかったツケが、現在回ってきているのであるが、現状を考えると今後も、国が迅速で適切な対応を行うことは難しい。
 ◆新型コロナウイルスに対する根本的な対策は、今のところワクチン接種しかない状況である。しかし、今回の大混乱の収束には多くの時間を要すであろう。医療現場としては、現在なし得る対応を粛々と行うのみであるが、国の責任者には猛省を促したい。(浩)