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医師・医療関係者のみなさまへ

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府医ニュース

2021年5月26日 第2965号

 ◆新型コロナウイルスの社会混乱が続く中、別種ウイルスの脅威が増加している。データを暗号化し、それを解除する対価として身代金を要求する「ランサムウェア」というウイルスである。このサイバー攻撃が今、世界を揺るがしている。
 ◆企業、金融機関、政府機関が標的となり、最近では生活基盤や経済活動に悪影響を及ぼすインフラへの被害も相次いでいる。先日、米国で最大規模のパイプラインが操業停止に追い込まれ、高額の身代金が支払われたとの報道もある。
 ◆医療機関も例外ではない。コロナ禍の世界各国でサイバー攻撃が急増しており、日本でも電子カルテシステムに障害が発生した感染事例がある。
 ◆今回、デジタル庁創設を含めたデジタル改革の関連法が成立した。マイナンバーカードに預貯金口座、健康保険証を紐付けるなど、効率性と利便性を強調している。しかし、同時に、そのセキュリティ対策の確保がなければ信用できるものではない。コロナ対応における国の脆弱な安全統治を見ていると、甚だ不安でもある。(誠)