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医師・医療関係者のみなさまへ

4月度郡市区等医師会長協議会

府医ニュース

2021年5月19日 第2964号

 4月度郡市区等医師会長協議会(令和3年度第1回)が4月23日午後、大阪府医師会館で行われた。本文は茂松茂人会長あいさつ(要旨)。

 新型コロナウイルスによる3回目の緊急事態宣言が、4月25日からの17日間、大阪・兵庫・京都・東京に発令された。大阪では英国株(N501Y)が猛威を振るい、子どもの学校現場にも影響を及ぼしている。都市部を中心にロックダウン的な制限をかけないと感染は収まらない。
 新型コロナの状況は、昨日(4月22日時点)で重症患者が328人、入院患者が1700人を超え、自宅療養者も9200人まで増えている。英国株の感染者は長期間経ってもPCR検査が陰性にならず、20・30代の若年層や基礎疾患のない方でも、肥満や喫煙者は重症化につながる。救急医療に制限がかかる中で、改めて外出自粛などを周知せねばならない。
 本会では4月8日に、大阪府内の5大学附属病院、公立・公的病院、病院団体を緊急招集し、ウェブ会議を開催。▽1床でも多い重症病床の確保▽軽快した患者の転院基準と後方支援▽看護師不足対応――などを議論した。これらを踏まえ、医療界で一致した方向性で、地域医療の在り方も含めた要望書を大阪府に提出。近く関係省庁にも要望する。
 ワクチン接種については、5月の連休明けに本格的に接種体制が組める量のワクチンが供給される。英国ではワクチン接種やロックダウンにより感染を抑え、その他のワクチン接種が進む諸国も効果が出ており、日本は周回遅れの感がある。その意味でも国内ワクチン開発による安定供給が望まれる。
 最近、少子化に対して「こども庁」を創設する考えが出てきた。出生数の減少により支え手が無くなる影響は確かに大きい。しかし、▽子どもの保育や教育▽少子化対策▽貧困や虐待防止――など多岐にわたる課題を、ひとつの器で解決できるのかは疑問である。
 なお、来年には診療報酬の改定があり、医療経済実態調査が始まる。基本診療料や入院基本料への評価、更には医師の働き方改革に関する診療報酬での支援の在り方なども見直す必要がある。
 また、経済財政諮問会議が6月にまとめる「骨太の方針2021」におけるマイナンバーの活用・推進、財政制度審議会でもかかりつけ医機能の制度化といったものが論点になっており、それらには医療界が一致団結して闘わねばならない。
平成30年度に新専門医制度がスタートして3年が経過した。この4月から基本領域の研修を修了した多くの専攻医がサブスペシャルティ領域の研修に入る。シーリングによる弊害が指摘され、これから始まるサブスペシャルティ24領域に加えて、新たに各学界から申請のあった21領域の扱いについても結論が出ていない。これらは、現在の医療の状況と進む方向が違う。
 こうした状況の中で組織強化は重要と考えているが、コロナ禍で例年の新研修医に対するウェルカムパーティーも開催できず、私と高井康之副会長が各大学に出向き、医師会加入を勧めている。