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府医ニュース

2021年4月21日 第2961号

 ◆新薬の特許が切れればゾロゾロと出てくる後発医薬品、かつては有効性や安全性に懐疑的な見方もあり、皮肉交じりにゾロ薬とも呼ばれた。
 ◆その後、厳格な承認審査や品質再評価制度により信頼性が向上し、ジェネリック医薬品として確立した。国の使用促進の施策もあり、今では使用割合が約80%に達している?
 ◆しかし最近、このジェネリック医薬品を貶める事態が相次いだ。不適合品を再加工して販売する不正や、経口抗真菌薬に睡眠薬を混入させるというずさんな生産管理体制で、ジェネリック製薬会社2社が業務停止命令を受けた。特に後者については、診療した担当医師が複数の患者の異変に気付き発覚、死亡例を含む多数の健康被害が報告され重大な薬害事件となった。
 ◆日常診療で、患者に薬の副作用について問われることは茶飯事であるが、理論的に考え難い症状はつい聞き流してしまう。改めて、訴えには慎重に耳を傾ける必要がある。それ以上に、製薬会社にはより一層のガバナンスとコンプライアンスの徹底が必要だ。(誠)