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医師・医療関係者のみなさまへ

在宅看取りと死亡診断書の書き方に関する研修会

府医ニュース

2021年2月24日 第2956号

死亡診断書は医師の自署が必要

 大阪府医師会は大阪府在宅医療総合支援事業の一環として、「在宅看取りと死亡診断書の書き方に関する研修会」を1月29日午後、オンラインで開催。医師会役員、在宅医療・介護連携担当医師、警察医・監察医ら約300人が聴講した。
 開会にあたり、宮川松剛理事があいさつ。在宅医療の普及啓発により、住み慣れた場所でその人らしい最期を迎えたいという希望は増えていると述べ、その思いに寄り添うことの重要性を説いた。一方で、在宅看取りの増加に伴い、死亡診断書を作成する場合に、判断に迷うケースが多いと指摘。関係する多職種が正しい知識を身に付けて、かかりつけ医、訪問看護師、救急医療現場などが力を合わせて対応していく必要があると強調した。
 講演は、和田正彦氏(大阪府警察医会副会長)が座長を務め、巽信二氏(近畿大学医学部法医学教室主任教授)が登壇。死亡診断書の正しい記載方法などについて解説を行った。巽氏はまず、高齢化に伴い看取りの場所や状況は多種多様になっているとして、死亡診断に関わる法規を紹介。▽応召義務▽証明文書の交付義務▽無診治療などの禁止▽異状死体等の届出義務――について詳説した。また、死亡診断書と死亡検案書の使い分けや、医師が自ら看取ることができなかった場合の対応のほか、死亡診断書に記載する「死亡原因」の定義などに言及した。
 更に、厚生労働省通知「押印を求める手続の見直し等のための厚生労働省関係省令の一部を改正する省令の施行等について(令和2年12月25日付)」で、医師の署名欄では、従来の記名捺印は認められず、〝自筆〟が必要となったことを紹介した。そのほか、新型コロナウイルス感染症に関しては、PCR検査中に死亡した場合、一旦は死亡原因を「検索中」を記載し、死因決定後に、厚生労働省に結果報告をすることとなっていると加えた。
 講演終了後は、多くの質問が寄せられ、すべての質問に対して詳細に回答した。