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医師・医療関係者のみなさまへ

郡市区等医師会感染症対策 担当理事連絡協議会

府医ニュース

2021年2月24日 第2956号

緊急開催 新型コロナウイルスワクチン接種 開始直前

 大阪府における新型コロナワクチン接種が、3月上旬から医療従事者、4月以降に65歳以上の高齢者や基礎疾患を有する者および高齢者施設従事者、その後に一般市民に順次開始される。大阪府医師会は、郡市区等医師会感染症対策担当理事連絡協議会を2月10日午後に開催し、国・大阪府の取り組みを伝達するとともに府医の対応状況を報告した。
 冒頭、茂松茂人会長は、新型コロナに対する診療・関連事業への協力に対し、会員および医療従事者に感謝の意を表した。なお、自身が参画した2月3日の大阪府新型コロナウイルス感染症ワクチン接種連絡会議では、「同ワクチンの正確な情報」「アナフィラキシーショックなど緊急時後送体制の構築」を要請したことを報告。府内医療機関で、毎年季節性インフルエンザワクチンを2カ月で420万人に接種している実績から、個別接種を中心に迅速で安心安全にコロナワクチン接種を実施すべきと力説した。また、他の先進諸国に比して接種開始が遅れている事態を取り戻したいと述べた。

個別接種と集団接種の組み合わせが必要

 続いて、宮川松剛理事が、同ワクチンに関する経過と府医の取り組み状況を説示した。
まず、1月29日付けで厚生労働省が、同ワクチンに係る「予防接種実施計画の先進的な取り組み」として、東京都練馬区の事例を紹介したことを取り上げた。本モデルは、個別接種と集団接種の組み合わせにより短期間に接種を完了するもので、マイナス75度の保持が必要となるファイザー社製ワクチンについて、拠点施設から多数の診療所へのワクチン配送が可能となっているとした。
 なお、府医内部でも対策会議を開催し、▽ワクチン配送拠点▽ワクチン接種円滑化システム(V―SYS)の入力▽集団・個別接種の体制シミュレーション――などを重点に検討していると報告。ファイザー社製ワクチンについて、医薬品卸業者を介しての配給の可否を日本医師会へ照会中であると言明した。また、一般市民に対する接種体制について、主体となる各市町村と協力体制を組む郡市区等医師会の参考になればと、府医と大阪市との協議中の内容を提示した。

医療従事者優先接種 8割の31万人が希望

 最後に大阪府が取り組む医療従事者への優先接種について、各医療機関への事前調査では、病院・診療所など従事者の8割(約31万人)が希望していると詳述。大阪府が32台の超低温冷蔵庫を集中配置する「ワクチン配送センター」を設置し、府内の接種診療所・病院に配送する考えであることを説明した。なお、他院で接種を希望する従事者には、LINEアプリを利用した予約システムが導入予定と付け加えた。