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医師・医療関係者のみなさまへ

新生児の蘇生講習会

府医ニュース

2021年1月27日 第2953号

蘇生技術の更なる習熟を目指す

 大阪府医師会は、「周産期緊急医療体制整備事業」を大阪府より受託しており、その一環として12月5日午後、府医会館で令和2年度第3回新生児の蘇生講習会を開催。今回は、基本的な新生児蘇生法の修了者を対象に、蘇生技術の質の維持・向上を目的としたスキルアップコースを実施し、18人が講義と実習を交えた講習に取り組んだ。なお、開催にあたり新型コロナウイルス感染症防止の観点から、座学実施時には受講者同士の距離を確保。実習の際には講師・受講者にゴム手袋の着用を徹底するなどの対策を施した。
 開会にあたり笠原幹司理事があいさつ。大阪府の周産期緊急医療体制は全国的にも高い水準にあるとした上で、本研修会が体制の更なる充実につながればと期待を寄せた。
 次に、大橋敦氏(関西医科大学附属病院小児科准教授)が新生児蘇生法(NCPR)テキストを用いて講義を実施。まず、新生児蘇生の知識・技術は学習から90日経過すると、習得したスキルもあいまいになるとして、「定期的な復習を行うことが大切」と強調した。続いて、新生児蘇生法の基本として人工呼吸を挙げ、「適切なタイミングで行うことができれば、新生児仮死の90%は蘇生ができる」と言明。その上で、肺液を空気で置換し換気することが重要だと述べた。その後、新生児蘇生法アルゴリズムに沿って、蘇生の初期処置や人工呼吸などのポイントを解説した。
 講義終了後は受講者を5つのグループに分け、蘇生訓練用の人形を用いた実習を実施。後半には、様々なシナリオに従った演習を行い、受講者がチェックシートを基に実習内容を総括した。