TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

新年のごあいさつ

大阪府医師会 副会長  中尾 正俊

府医ニュース

2021年1月6日 第2951号

コロナ禍において地域医療の確保と医療機関への更なる支援が必要

 新年明けましておめでとうございます。会員の皆様方には、ご家族とともにご健勝に新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 我が国では、今後、後期高齢者の増加により、日常的に医療・介護が必要な人や認知症高齢者など生活に支援が必要な人が増加します。「高齢者の慢性心不全、脳血管障害が増加する疾病構造の変化に向けて、地域の医療・介護サービスをどのように提供すべきか?」については、昨年10月に循環器病対策推進基本計画が閣議決定され、方向性が示されました。
 さて、新型コロナウイルス感染症の流行により、新型コロナ患者を受け入れた医療機関のみならず、新型コロナ患者を受け入れていない医療機関においても、受診控えにより経営は悪化しています。今後も更なる支援が必要と考えており、政府に働きかけていきたいと思います。更に、複数の医療機関の連携により、感染症以外の医療機能も維持する体制を確保し、国民が必要とする医療をしっかり提供できる医療提供体制を構築していかなければなりません。
 しかし、昨年1月17日に議論の活性化のため具体的対応方針の再検証を要請する公立・公的病院が公表され、その中には、感染症指定医療機関など今般のコロナ対応を行っている医療機関も含まれていました。地域医療構想調整会議では、感染症医療を担っている公立・公的医療機関が、今般のコロナ対応で担った役割をきちんと評価すべきと考えています。調整会議において、地域医療構想の実現に向けた具体的対応方針の再検証を議論するにあたり、新型コロナウイルス感染症への対応状況を踏まえた協議が望まれます。
 最後になりますが、医療を取り巻く環境は、ますます厳しくなっていくことが予想されます。三位一体改革(地域医療構想・働き方改革・偏在対策)と地域包括ケアの深化・推進に向け、執行部一同会務に励んで参りますので、会員諸兄の更なるご支援とご指導を賜りますよう心よりお願い申し上げ、新年のごあいさつとさせていただきます。