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医師・医療関係者のみなさまへ

新生児の蘇生講習会

府医ニュース

2020年9月16日 第2940号

現場で対応できる技術の習得を

 大阪府医師会は「周産期緊急医療体制整備事業」を大阪府より受託しており、その一環として8月29日午後、府医会館で令和2年度第1回新生児の蘇生講習会を開催。会員および会員医療機関に所属する看護師や助産師など23人が参加し、新生児に対する初期対応を習得すべく、講義と実習を交えた講習に取り組んだ。なお、開催にあたり新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、座学実施時は受講者の距離を確保。実習の際には講師・受講者にゴム手袋を配布し、着用を徹底するなどの感染防止策を施した。
 開会にあたり笠原幹司理事があいさつ。日頃から周産期医療、新生児救急に携わる受講者へ謝意を示した。また、実際の現場で適切な対応ができるよう、新生児の蘇生の知識を身に付け、今後の周産期医療活動に役立ててほしいと呼び掛けた。
 続いて、大橋敦氏(関西医科大学附属病院小児科准教授)が「日本版救急蘇生ガイドライン2015に基づく新生児蘇生法テキスト」のアルゴリズムに沿って、▽蘇生の初期処置▽初期処置後の評価▽蘇生バッグの構造と特徴▽蘇生後のケア――などのポイントを解説。中でも蘇生の初期処置にかける時間において、「人工呼吸は出生後、遅くとも60秒以内に開始することが重要である」と繰り返し強調した。
 引き続き、受講者を5グループに分け、蘇生訓練用の人形を用いた実技講習を実施。大橋氏を含むインストラクターによる指導の下、現場を想定した実習に取り組み、基本的な新生児の初期対応を学んだ。終了後には受講者に修了証が授与された。